国内 2021.11.09
3年ぶりに単独出場した、都島工のビッグマン・川部剛大の挑戦。

3年ぶりに単独出場した、都島工のビッグマン・川部剛大の挑戦。

[ 明石尚之 ]

 ラグビーを始めたのは小学1年からだ。ラグビー選手だった父親の影響を受け、大阪中央ラグビースクールに通い始めた。
「体験に行った日がちょうどクリスマス会で、それが楽しかった。せっかくなら来年も参加して景品もらいたいなと思って(笑)」

 小学5年で柔道クラブにも並行して通ったのは、ラグビーの練習試合で頭を打ったから。「受け身をやらないとやばいぞと」。中学でも柔道部に所属した。

 中学ではラグビーを全力でやれなかった分、高校では本腰を入れてやりたかった。都島工に進学した理由もそのひとつ。理数系が得意だったことも選択を後押しした。

 高校では中学との違いに戸惑うこともあったが、大きく異なるセットプレーでその体躯を思い切り生かせた。
「スクラムはまだ背中が丸まってしまうこともあるけど、ラインアウトはどこにも負けない自信があります。フィールドプレーでも体重があるから前に出られる」
 受験太りで130キロ近くまであった体重も、この1年で絞っていまは120キロで落ち着いた。不器用な面もあるが、ボールキャリーには迫力がある。

 今回参加したBigman&Fastman Campには、川部と同じ大阪中央RS出身の大産大附2年のWTB上井祐紀や大阪桐蔭1年のPR野村俊介がいた。「基礎が大事なのをあらためて感じました」と話す。

 伊藤矢一FWコーチ(興國高監督)からは3v3、5v5、8v8と少しずつスクラムの人数を増やしていく変形スクラムのやり方を教わった。
「新チームは特にFWが少ない。それでも正しくスクラムが組めることを知れたので、ありがたかった」
 いまはメモしたことを部員たちに伝える難しさと格闘しながら、成長を実感している。

 2回のセッションを終え、「俺選ばれたんや」と自信もついてきた。遠慮がちだったプレーも変わりつつある。
「先輩がいなくなってほかに誰がいくんだ、という状況にもなりました。もっと自分が前に出るプレーをしないと」

 大学でも競技を続けたい。そして生涯を通じて関わっていきたい。どんな人にでも適切なポジションがある、そんな普遍的なラグビーの魅力を感じている。
 だから伊藤コーチに「動きが悪くてチーム内では肩身が狭いこともあるかもしれないけど、デブは宝だ」と言われ、大きく頷いた。

この日は汎愛高校のグラウンドで練習した。1、2年生で14人になったから、来春は再び汎愛と合同を組む予定(撮影:BBM)

*タイトルの川部選手のお名前に誤りがありましたので、お詫びして訂正いたします(11/09_1220)。川部選手ならびに関係者のみなさま大変申し訳ございませんでした。

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