コラム
2021.11.09
【コラム】ブレイクダウンで、顔と壺
ルールにどう対応するかは奥が深い話だが、今年は世界中のラグビー人の頭がフル回転する必要に迫られている。「けっこう大きな変更だった」と河野レフリーが言うルール改正があったからだ。
影響が大きいのはゴールラインドロップアウトの採用だろう。モールをゴールラインの奥に押し込んでもトライできずにアンプレイヤブルになると、相手ボールのドロップアウトに変わった。従来はマイボールスクラムからの再開で2度目のチャンスがあったのに、一転して相手ボールとなり、FWが力攻めした時の得点期待値は下がった。
キックの「50:22ルール」もトップレベルの試合には大きな影響を与えていないが、「国内の大学の試合では、準備をしていないチームがこのルールで痛手を負っている」と河野レフリーは強調する。
「ジェイミー」と「エディー」に話を戻すと、見解の相違はルール以外にもう1つあった。試合中にボールが動いている時間を指す「ボールインプレー」の長さについてである。ジョセフヘッドコーチは「ワールドカップではティア1チームのボールインプレーが平均32分間だった。それが今では38分くらいになっている」と話す。
一方のジョーンズ監督。「ボールインプレーは私がコーチを始めた1996年くらいからほとんど変わっていない。長いと40分間くらいだが、だいたいは32~35分間だ」