日本代表 2021.11.01

19歳で欧州ツアーへ。ワーナー・ディアンズ(LO/FL)、日本代表キャップ獲得なるか。

[ 編集部 ]
19歳で欧州ツアーへ。ワーナー・ディアンズ(LO/FL)、日本代表キャップ獲得なるか。
大きな可能性を秘めるワーナー・ディアンズ。写真は宮崎合宿時。(©JRFU)

 10代で初キャップを獲得できるかどうかは分からない。ただ、その時は間違いなく近づいている。
 日本代表のスコッドに加わり、欧州ツアーに参加しているLO/FLのワーナー・ディアンズだ。

 宮崎合宿にナショナル・デベロップメント・スコッドの一員として参加するも、次のステージにはピックアップされず。所属する東芝ブレイブルーパス東京に戻ってトレーニングを積み、プレシーズンマッチに出場していた。

 しかし、LO大戸裕矢(静岡ブルーレヴズ)がケガで離脱し(東京サントリーサンゴリアス の小澤直樹も日本代表のチーム事情で離脱)、10月27日に別府で合宿中のチームに合流した。
 日本代表の欧州ツアースコッドに加わり、同29日に日本を発った。

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【WOWOW×ラグビー日本代表】アイルランド戦(11/6)とスコットランド戦(11/20)を生中継!
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 日本代表は11月6日にアイルランド戦、同13日にポルトガル戦、同20日にスコットランド戦と、テストマッチ3戦を控えている。
 2002年4月11日生まれ、19歳のディアンズがいずれかの試合に出場すれば、10代でのキャップ獲得となる。

 日本代表の最年少キャップは、2012年5月5日に福岡でおこなわれたUAE戦(アジア五カ国対抗)に出場したFB/WTB藤田慶和(当時・早大1年/現・埼玉パナソニックワイルドナイツ)が18歳7か月27日という記録を持つ。
 しかし、FWでの10代デビューは貴重な経験。実現すれば、202センチ、122キロの体躯を持つ大型LOの将来を明るく照らす。

 NECグリーンロケッツ(当時)のコーチに就いた父とともに、日本で暮らすようになったのは中2の時だった。
 その頃から「世界一のLOになる」夢を抱いていた。今回のジャパン入りは、その第一歩だ。

 2011年のワールドカップ時は母国・ニュージーランドにいた。
 同大会で頂点に立ったオールブラックスのLOが格好良くて憧れた。2015年大会も優勝したチームを見て、その思いは大きくなる。
 ブロディ・レタリックが目標とする選手。大柄でハードワーカー、スキルセットも高いからだ。

 今春、流経大柏高校を卒業した。
 以前はニュージーランドへ戻り、スーパーラグビーや各協会のアカデミー、あるいはクラブレベルからプロへ進もうと考えた時期もあった。
 しかし、日本の高校からそのルートを歩むのは難しいと判断。東芝加入のチャンスを手にした。

「(東芝は)リーチさんもいるチーム。(自分も)日本のためにプレーしたいと思いました」と話すだけでなく、世界へ出る準備を着々と進める。
 高校時代より体重を8キロ増やしたのも成長の一端。前を見つめ、歩みを止めない。

 10月28日にはトヨタヴェルブリッツの秋山大地も怪我でツアーメンバーから離脱した。
 宮崎合宿参加時は、周囲の先輩たちを「テレビの中の人たち」と感じたが、その選手たちとワンチームとなってピッチに立つ日は現実味を増してきた。

 チャンスを与えられるのではなく、準備期間の間に力をアピールし、実力で出番を勝ち取りたい。

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