国内 2021.10.13
川和高校は16人の少数精鋭で花園予選に挑む。ファストマン・石野創太郎が軸になる。

川和高校は16人の少数精鋭で花園予選に挑む。ファストマン・石野創太郎が軸になる。

[ 明石尚之 ]

 2年生は5人、1年生は8人いる。うち2年生の3人だけがラグビー経験者だ。インサイドセンターに入る石野創太郎は、小学1年で地元の麻生ラグビースクールに入った。
「いろんなスポーツに触れましたが、ラグビーは周りの人がすごく温かくて、タックルバッグに思い切り当たるのも楽しかった。一番自分に合っているなと」

 神奈川DAGSでラグビーを続けた中学時は、勉学にも秀でた。学校の成績はオール5。高校でも文武両道を志して川和に決めた。入学時はコロナ禍で6月まで部員と会えなかったが、近所に住んでいた麻生RSの先輩で明大2年の古田空(くう)に練習方法など、いろいろ教わった。
「ひとりでパス練をしたり、ラグビーノートを作ったり。みんなと会う時のためのいい準備はやってきました」

 この秋には2021年度のビッグマン&ファストマンキャンプのメンバーに選ばれる。石野は自薦で選ばれた16人のひとりだった。立ち幅跳び280㌢をクリアした。
「キャンプの存在は知っていましたが、雲の上の存在で自分には行けない場所だと思っていました。でも小野先生から話をいただいて、自分にも行ける可能性があるんだと。家の前で幅跳びの練習ばかりしてました(笑)」

 オンラインでの開催だったが、実りある時間だった。
「背筋を使うのが大事と教わりました。これまでは勉強してた時、腰が曲がっていたけれど、いまは授業中も(いい姿勢を)意識しています。走りも生活の中から変えられると教わったので、普段の生活の意識が大きく変わりました」

 キャンプに参加して自信もついた。3年生2人がFWにいるから、石野はBKのリーダーを買って出る。数少ないラグビー経験者としてプレーでお手本となる存在でありたい。
「まずは自分が揺らがないこと。リーダーはいつも自信を持っていないといけない」

 今春に合同チームで出場した関東大会予選では3回戦で日大高に17-24で敗れるも、前半は17-5でリードしていた。
 ベスト8まではあと一勝。着実に力はついてきている。
 人数が少なくても、戦えることを証明したい。

小野圭介監督は5年勤めた田奈高から赴任して4年目(撮影:BBM)
ファストマン選出の石野創太郎はサインプレーを共有する。古田空の兄・京(元慶大主将、医学部)も憧れの存在(撮影:BBM)

PICK UP