女子 2021.09.23

期待の大きさ伝わる。ロンス(フランス)移籍の冨田真紀子、現地で入団会見

[ 福本美由紀 ]
期待の大きさ伝わる。ロンス(フランス)移籍の冨田真紀子、現地で入団会見
ロンスのジャージーを手に。(クラブのTwitterより)
左から、ポーのベルナール・ポントノ会長、ロンスのジャン=フランソワ・ロンバール会長、冨田真紀子、ニコラ・パトリアルシュ ロンス市長、ポー・ベアルヌ・ピレネー地域スポーツ担当助役のクロード・フェラト氏。(提供/Lons Séction Paloise Rugby Féminin)



 地元で歓迎を受けた。
 フランスの『ロンス・ラグビー・フェミナン・ベアーン・ピレネー』(以下、ロンス)でプレーする冨田真紀子が現地に到着し、9月21日に入団会見が開かれた。

 同クラブは1964年にできた男子のロンスのラグビークラブが、子ども向けのラグビースクールを開設して発展する過程で、1993-2000年の間に「地域の女子ラグビーグループを受け入れた」ところから始まった。

 2015年、女子チームはロンス・ラグビー・クラブから独立。トップ14の『セクション・パロワーズ・ラグビー・ベアーン・ピレネー』(トップ14のポー)とパートナー契約を結び、『ロンス・ラグビー・フェミナン・ベアーン・ピレネー』となった。

 現クラブ名となったのは今年からだ。『セクション・パロワーズ・オムニスポーツ』という市民のための総合スポーツセンターに併合された。
 ポーとロンスは4キロしか離れておらず、ポーが行政区の中心。強化のための組織編成と露出効果増大を狙っての判断だ。

 オムニスポーツにはラグビー以外に、ボクシング、フェンシング、空手、剣道、アメフト、水泳、卓球、トライアスロンなど、11の部門がある。現在トップ14のポーも、もともとオムニスポーツのラグビー部門で、1998年プロ化のために独立した。

 会見には、ポーのベルナール・ポントノ会長、ロンスのジャン=フランソワ・ロンバール会長、冨田真紀子、ニコラ・パトリアルシュ ロンス市長、ポー・ベアルヌ・ピレネー地域スポーツ担当助役のクロード・フェラト氏が出席した。

 会見は入団発表のためだけではなく、協定更新調印の機会と合わせ開かれた。
 ロンスは、2015年からポーの男子プロチームの練習場の使用やメディカル、SCなどの面で協力を得てきた。今季からはその関係性がさらに深くなり、クラブの名称も変更になり、ジャージーの色もセクション・パロワーズのグリーン×白となった。

 ロンスのロンバール会長は、冨田をリクルートした動機を、こう話した。
「彼女が代表経験のあるBKだということ。また、このチームはアマチュアクラブなので、選手としてだけでなく人間同士、新しい交流ができるということも動機になった。彼女の経験をチームのために活かしてもらいたいし、フィジカルでチームのBKラインを強化してもらいたい。また、我々とは異なるプレーに対するビジョンをもたらしてくれることを期待しています」
 今季、チームはセミファイナル進出を目指している。

 ロンスが戦うエリートワン(エリート・ユンヌ)は全14チーム。2プールに分かれて行われ、各プール上位4チームが決勝トーナメントへ。準々決勝、準決勝、決勝へと続く。
 ロンスのプールは、トゥールーズ(強豪)、ロマニャ(昨季チャンピオン/女子最優秀選手に選ばれたジェシー・トレムリエールが所属するクレルモンのチーム)、スタッド・フランセ、ボビニー、レンヌ、グルノーブルで構成される。

 同会長は、冨田がフランスの女子リーグ初の日本人選手であること、15人制(5キャップ)、7人制(25キャップ)の代表経験を持つCTBであることを報道陣に伝えた。
 また、トップレベルでの経験を評価していることに加え、バスケットボールをプレーしていたことや、オーストラリア、スコットランド、ニュージーランドで勉強を続けながらラグビーをしてきたこと、旅行や釣り、料理が趣味であることも紹介した。

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