【ラグリパWest】ビール・マスカラスと藤島鯛。中村直人 [なおかつ酒店社長]
ビール・マスカラスに藤島鯛。Instagramには華麗なるパクリの世界が展開されておる。
ビールさんはいにしえの人気覆面レスラーをヒントにする。ロープを駆使し、空中殺法を見せたミル・マスカラス。額にはMのイニシャルの代わりに生ビールが入った大ジョッキを張りつけている。体のたるみはご愛敬。元ジャパンだけに惜しいけど…。
鯛さんは言わずと知れた「大さん」。目の座り、濁音を強調するしゃべり方はクリソツ。黒メガネは100均で買った老眼鏡のレンズを抜く。装いは紫の格子柄のシャツにグレーのジャケット。うーん、トリビアーン。推奨は故ドミニシのワインだす。
彼らをインタビューするのは我らが晃一さん。プーンと汗臭いラグビー界で、爽やかさを一手に引き受けてはりますなあ。
「ホンモノがきぃーたーーーーー」
晃一さんと組んで、ナオトこと中村直人さんのチャレンジが本格的に始まった。来年1月で53歳やで、しかし。
「村上さんは、放っておけない、やばい、と思って来てくれたと思います」
ナオトは言う。アスファルトに腹ばいになって、黄色い花に話しかける動画を見たら、ほら、ほうよ(阪神の元監督調)。
お酒、売れへんねん…。ナオトは「なおかつ酒店」の三代目。このコロナであっぷあっぷ。みな、そうやけどね。ナオトんとこは業務用が中心やから余計につらい。
「売り上げはええ時の8割減です」
お店を救いにやってきたのは同じ京都に住む晃一さん。神か、おたくさまは。
2大共演のInstagramはなおかつ酒店のホームページから飛べる。そこにはオンラインショップもある。名前は「NAON」。パクリまくり。このショップがなかなかの散らかりぶり。お酒のみならず、鼻洗浄の薬やTシャツ(マスカラスもあり)、シチューや米もある。
「みんなご縁のある人や会社のものなんです。せやから売らせてもらわんとあかんのです」
あきんどとして筋は通ってるで。
売り上げ回復のため、偽キャラを使った広告宣伝を考えたのは半年ほど前やった。
「タニがインタビューボードは効果がある、って教えてくれたんです」
タニは同志社ラグビーの同期である。D社所属。ボードは会見の後ろの大きな幕やな。
株式会社なおかつ、などの文言をコピー。それをはっつけて、ボードもどきをこしらえた。晃一さんがサントリーウイスキー角の2.7ℓ業務用をマイクに見立てて、横に立ったあたりで反響は大きくなる。
「インスタは7万人くらいが再生してくれたら、バズる、と言うらしいですが、多い時は10万くらい、いきますねん」
そのご恩は形にするで。晃一さんにはちゃんとギャラを用意する。売れ残ったお酒、もとい、隅に飾ってあるお酒を渡す。