各国代表 2021.09.12

豪州がW杯王者・南アを倒した! 4年ぶり代表復帰のクーパーが23得点、逆転サヨナラPG!

[ 編集部 ]
豪州がW杯王者・南アを倒した! 4年ぶり代表復帰のクーパーが23得点、逆転サヨナラPG!
W杯王者スプリングボックスとの激闘に逆転勝ちし、歓喜のワラビーズ(Photo: Getty Images)


 ラグビーワールドカップ2019を制し世界の頂点に立った南アフリカ代表“スプリングボックス”が、コロナ禍で2年ぶりの参戦となったザ・ラグビーチャンピオンシップ(南半球4か国対抗戦)2021で初黒星を喫した。倒したのは、世界ランキング7位のオーストラリア代表“ワラビーズ”だった。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、第3節からオーストラリアのクイーンズランド州で集中開催となった今大会。両チームは9月12日、ゴールドコーストのシーバス・スーパー・スタジアムでおこなわれたダブルヘッダーの2試合目で激突し、オーストラリア代表が土壇場のペナルティゴール(PG)で28-26と逆転勝ちした。

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 主役となったのは、4年ぶりにオーストラリア代表復帰となった33歳のベテラン、クウェイド・クーパー(花園近鉄ライナーズ所属)だった。

 今年は21歳のノア・ロレシオをSOで先発起用し続けたオーストラリア代表のデイヴ・レニー ヘッドコーチだが、3連敗中のチームに変化をもたらそうと、この試合の10番をクーパーに任せた。

 序盤、南アに先行されたオーストラリアだが、クーパーが確実にPGで得点を重ね、シーソーゲームとなった。円熟味を増したクーパーは落ち着いてプレーメイクし、陣地獲得のキックも好調だった。

 そして、6-6で迎えた前半16分、危険なタックルをした南アのFLシヤ・コリシ主将にイエローカードが出て、流れはオーストラリアに傾く。数的有利となり、1分後、CTBサム・ケレビが突破し、ロングパスを大外に通してチャンスとなり、ボールをもらったWTBアンドリュー・ケラウェイが鋭く内に切り込んでトライを挙げた。

 その後、南アが力強いドライビングモールで5点を奪い返したが、オーストラリアはクーパーのショットで着実に得点を重ね、リードをキープ。ハーフタイム前には連続攻撃でゴールに迫りながら南アの堅守にトライを阻まれたが、直後、ゴールドジャージーのFWパックが相手ボールのスクラムで奮闘してPGチャンスを得、クーパーがこれを確実に決め、19-11で折り返した。

南アはドライビングモールで3トライを挙げたが、競り負けた(Photo: Getty Images)

 後半、両チームともPGでスコアを動かし、22-14で迎えた58分(後半18分)、流れが変わる。オーストラリアのHOフォラウ・ファインガアが反則でイエローカードを提示され、直後、南アはラインアウトからモールで押し込んでトライを取り切り、コンバージョンも決まって1点差となった。

 オーストラリアはその後、ここまでゴールキック成功率100%のクーパーがまたもPGで得点し、25-21としたが、南アは72分、得意のドライビングモールでHOマルコム・マークスが連続トライゲッターとなり、逆転した。

 1点ビハインドとなったオーストラリアは、77分に数的有利な状況を作りながらトライを奪うことができず、苦しくなる。

最後にウイニングショットを決めるクウェイド・クーパー(Photo: Getty Images)

 しかし、残り時間20秒を切ったところで、オーストラリアのFWが敵陣10メートルライン付近のスクラムでプレッシャーをかけて相手の反則を引き出し、土壇場でチャンス到来。キャプテンのFLマイケル・フーパーがショットを選択すると、クーパーが40メートル以上離れた距離から見事にPGを決め、オーストラリアが劇的な逆転勝利で歓喜となった。

 オーストラリアは現在首位に立つニュージーランドに連敗したものの、これで1勝2敗(総勝点4)。一方、アルゼンチンを相手に好スタートを切っていた南アフリカだが、黒星を喫し2勝1敗(総勝点10)となった。

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