国内 2021.08.29

夏の早明戦(菅平)は早大が競り勝つ。「練習試合でも早稲田に負けるのは悔しい」

[ 編集部 ]
夏の早明戦(菅平)は早大が競り勝つ。「練習試合でも早稲田に負けるのは悔しい」
質の高いプレーでチームを牽引した早大CTB長田智希主将。(撮影/松本かおり)
明大も終盤にトライを重ね、トライ数では6対5と上回った。(撮影/松本かおり)
1年生ながら先発した早大SH宮尾昌典。(撮影/松本かおり)



 オプションの増えた攻撃力で38得点。菅平で夏合宿中の早大が帝京大に続き、明大も破った。
 8月28日におこなわれた夏の早明戦は38-34で早大が競り勝った。

 勝者は開始7分にスクラムからBKで仕掛け、WTB松下怜央が先制トライ。その後もFWとBKの連係が良く、高速アタックを繰り返した。
 ルーキーSH宮尾昌典(京都成章)の球さばきも良かった。

 SO吉村紘も積極的に動き、勢いのあるアタックをリードした。スクラムでは圧力を受けるシーンがあったFWも、動き出せばブレイクダウンでの争奪戦で体を張り、スペースを突いて前に出た。
 終盤、明大に追い上げられるも勝利を手にした。

 抜群の働きを見せたのがCTB長田智希主将だった。
 2トライを挙げただけでなく、キックオフ時のチェイス、ディフェンス時の球への絡みでチームに貢献した。
 昨年の13番から12番に移り、ボールタッチの数も増えた。

「チームをどう引っ張るかと考えた時、言葉より、まずプレーで見せようと。周囲にファーストプレーから(集中して)やろうと言っているので、試合の入りのキックオフチェイスも(自ら)意識してプレーしました」

 チームは各試合にテーマを持って臨んでいる。
「帝京との試合では、コンタクトにこだわろうと言って戦い、それをやり切れたので結果もついてきた(40-24)。ただ、前半の最後や後半の入りなど、少し緩む時間帯があったので、きょうは、『戦い続ける』をテーマにしました。それに関しては、終盤(に連続トライを許した展開)を見ればまだまだです。内容も向こうが上だった」

 これまでよりゲインラインに近いところでボールを持つインサイドCTBでプレーするようになって、より前に出ることを重視する。
「ボールを持つ回数も増えたし、チームに勢いをつけるプレーをしようと心がけています。仕事をし続ける」
 質の高いプレーを何度も見せたキャプテンについて、大田尾竜彦監督も高く評価している。

 同監督は、この日の試合については「60点」と言った。
 勝つには勝ったが、試合の流れを決めるプレーでミスをしたり、精度が低く、仕留め切れなかった点に辛い評価をした。

 しかし、チームの全体的な歩みには手応えを感じている。
 春シーズンを終えたとき、部員たちに「夏の成長次第で優勝できるかどうか決まる」と話した。その中で、帝京大、明大というライバルたちに連勝。各試合でのトライ数を見ても(帝京大戦=6、明大戦=5)、攻撃力の高まりは確かだ。

 明大・神鳥裕之監督は、「(練習試合でも)早稲田に負けるのは悔しいですね」と話した。
「でもここで勝って安心するより、選手たちが、シーズンに向けて『頑張らなきゃ』と思うのではないか、とポジティブに考えるようにしています」

 トライ数(6)では早大を上回った。この日は両FLに木戸大士郎(常翔学園)、福田大晟(中部大春日丘)と1年生を起用。「ふたりともタフ」と期待を込める。
 新監督はライバル校への敗戦には不満も、各ポジションの競争が激しくなっていることには目を細めた。

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