コラム 2021.07.07

【ラグリパWest】6回目の関西大学春季トーナメントを振り返って。

[ 鎮 勝也 ]
【ラグリパWest】6回目の関西大学春季トーナメントを振り返って。
天理を35-19で降し、関西大学春季トーナメントで初優勝をした同志社。南光希共同主将(左から2人目)、伊藤紀晶ヘッドコーチ(同3人目)は笑顔を浮かべる



 無観客。大歓声はない。ただ、紺グレのファンは映像やSNSの結果などで、歓喜したはずだ。

 6回目となる関西大学春季トーナメントで、同志社が初優勝する。リーグ戦負けなし5連覇の天理に35−19(前半13−12)。決勝戦が行われたのは、7月4日、奈良県の天理親里ラグビー場である。

 この勝利は同時に、6年前から始まった天理の関西勢に対する連勝を止める。最後に黒星をつけたのはこの同志社。秋の関西リーグの最終戦で13−10。2015年12月5日だった。この時、同志社は8年ぶり、最多となる42回目の優勝を果たしている。

 翌2016年から始まったこの春季トーナメントで、天理は2回引き分けている。1回大会は決勝で京産大に19−19、続く2回大会は4強戦で近大に35−35。3位決定戦では同志社に50−7で圧勝している。

 1回大会は準備期間が短かったため、非公式戦となったが、この2つの引き分けを抜いて数えれば、天理の連勝は春季トーナメントと秋季リーグ戦を合わせて43になる。

 昨年の5回大会はコロナにより、中止になったが、そのこともあって、今年は参加チームが招待試合や定期戦を入れず、春の頂点を狙いに来た。

 同志社の伊藤紀晶(のりあき)は口元をほころばせる。
「勝因は後半、フィットネスが落ちなかったことでしょう。いつもなら後半にミスが起こる。今回はそれがありませんでした」
 監督にあたるヘッドコーチ就任2年目で結果を残す。

 後半11分には11人モールでインゴールになだれ込む。24分にはタテにラインブレイクした西村海音(かいと)に岡野喬吾が瞬時に寄る。両CTBはオフロードを成功させ、さらに防御を突き破る。できたポイントからWTB和田悠一郎がトライラインを超える。ゴールキックも決まり25−12とする。

 後半のトライ数は天理の1に対して、同志社は3。伊藤のコメント通りバテなかった。コーチの酒井優(まさる)は話す。
「一番大きかったことは、練習ができなかった時期がなかったことですね。2月から練習が始まって、これまで5か月、コロナにかからず、中断なしで続けてこられました」
 練習できれば強くなる。できなければ弱い。その自明の理が表れる。西村と岡野の息の合った受け渡しも、練習の賜物である。

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