国内 2021.07.05

NTTコムが元豪代表フォラウと日本代表ムーアを獲得! 監督には名将ペニーが復帰

[ 編集部 ]
NTTコムが元豪代表フォラウと日本代表ムーアを獲得! 監督には名将ペニーが復帰
イズラエル・フォラウ。フィールド外の騒動がなければ2019W杯も注目選手だった(Photo: Getty Images)


 NTTコミュニケーションズシャイニングアークスが来年1月スタートの新リーグへ向け、日本代表やビッグネームを含めた豪華な補強をおこなった。7月5日に2021年度の新加入選手・スタッフを発表。

 まずビッグサプライズは、かつて世間を騒がせたイズラエル・フォラウの獲得だ。
 13人制のラグビーリーグ、オーストラリアンフットボール(オージールールズ)、そしてラグビーユニオン(15人制)と、異なる楕円球競技で成功を収めてきた万能のフットボーラー。15人制ラグビーではFB、CTB、WTBでプレーでき、オーストラリア代表として73キャップを重ね、2015年のワールドカップでは準優勝に貢献した。オーストラリア国内の年間最優秀選手に贈られるジョン・イールズ メダルは3度も受賞。スーパーラグビー通算60トライは最多記録である。空中戦では驚異的な強さを誇り、ラン、パススキル、センスどれも一級品で、誰もが認めた世界最高峰プレーヤーのひとりだ。

 しかし、信心深いクリスチャンとして知られるフォラウは、過去に極端な宗教的見解を公に発信し、大きな騒動となったことがある。2019年にもSNSでの過激な投稿が物議を醸し、結局、オーストラリアラグビー界から追放されることになり、2020年からは、かつて親しんだ13人制でプレーしていた。今年5月にはカタラン・ドラゴンズ(フランス)からリリースされ、母国の13人制アマチュアクラブであるサウスポート・タイガースに入団し会見をおこなったばかりだった。

 身長194センチ、体重103キロ。32歳になった天才アスリートが15人制ラグビーに復帰し、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか注目される。
 フォラウは2015年にNTTドコモレッドハリケーンズと契約したが、同年秋のワールドカップで足首を負傷し、ドコモではプレーできなかった。そのため、今回入団するチームは違うものの、そのとき「近い将来日本でプレーできることを心待ちにしております」と言っていたことが実現することになる。

ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ相手に空中戦で競り勝つジェームス・ムーア(Photo: Getty Images)

 そして、宗像サニックスブルースを退団した日本代表LOのジェームス・ムーアもNTTコムへの移籍が決定。
 2019年のラグビーワールドカップで日本代表初のベスト8入りに大きく貢献したムーアは、現在28歳で、2023年のワールドカップへ向けてもキープレーヤーのひとりと期待されている。今夏のヨーロッパ遠征では2試合とも先発し、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズとアイルランド代表相手に奮闘。ハードワーカーのムーアは、7月3日のアイルランド代表戦でタックル数は両チーム通じて最多の21回(ミス1回)、ラインアウトスチールを2回成功するなど活躍していた。

 そのほか、ブルーズ(ニュージーランド)の司令塔としてスーパーラグビー トランス・タスマン優勝を成し遂げ、誇り高きマオリ・オールブラックスの一員でもあるSOオテレ・ブラックがNTTコムに加入する。

 さらに、NECグリーンロケッツを退団した元U20オーストラリア代表のLOサム・ジェフリーズや、昨季までコカ・コーラレッドスパークスでプレーしていたNO8ブロディ・マカスケルとCTBトゥクフカ・トネもシャイニングアークスの新メンバーとなる。

ワラターズでの仕事を終え、NTTコムに復帰するロブ・ペニー(Photo: Getty Images)

 そして、もうひとり大きな補強は、名将ロブ・ペニーの復帰。
 2014年から5シーズンNTTコムで指揮を執り、就任3年目とラストイヤーにチーム史上最高成績となるトップリーグ5位に導いたペニーは、2019年に退団後、豊田自動織機シャトルズとワラターズ(オーストラリア)で指導していた。ワラターズでは若い選手の育成やチームの底上げに力を注いだものの試合ではなかなか結果が出ず、今年3月にシーズン途中で解任されてしまったが、かつて母国ニュージーランドの国内最高峰大会でカンタベリーを4度優勝させ、アイルランドのマンスターでヘッドコーチを務めた2013-14シーズンに欧州3大リーグのひとつであるプロ12の年間最優秀コーチに選ばれるなど、実績があり、指導者として高く評価する声はいまも多く、NTTコムに再び求められ、監督就任が決まった。

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