日本代表アマナキ・レレイ・マフィ 大一番へ「仲間を信じないと勝てない」
チームスローガンは『ONE TEAM』。2019年の流行語になった。日本代表のアマナキ・レレイ・マフィは簡潔に言う。
「明日は絶対、仲間を信じないと勝てないから。明日、皆、応援してください、がんばります」
6月26日、スコットランド・エディンバラのマレーフィールドでブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズと戦う。マフィは25日の試合前日練習後、オンラインで取材に応じた。5月下旬からの別府合宿、6月12日の強化試合を経てこの日を迎えた。
「いままで5~6週間準備してきた。それを信じて、明日、やるしかない! (焦点は)フィジカルのところ。ボールキャリーで、自分で前に進んで、それに皆もフォローしてもらって…。相手に負けないようにやりたいです」
初の8強入りを果たしたワールドカップ日本大会以来、約1年8か月ぶりとなるテストマッチ(代表戦)だ。相手は4年に一度のみ結成される4協会の連合軍。今度の会見中は、対戦が楽しみな選手は誰かとの質問も飛ぶ。
ところが、ワールドカップに2大会連続出場中のマフィは「特にいないです!」。熟練者の言うことはかえって簡潔になる。
「ラグビーって、15人(でおこなう)なんで。ひとりじゃなくて、皆のチームワークで。自分の前にいる選手に負けないように頑張ります」
トンガから花園大を経てNTTコムでブレイク。現在31歳でキヤノン所属のマフィは、力強い突破が持ち味の通称「フィジカルモンスター」としてその名を馳せてきた。
現在、持ち場のFW第3列には多くの有力選手が台頭している。12日に静岡・エコパスタジアムでおこなった強化試合では、JAPAN XVの名義で先発して挑んだサンウルブズのメンバーに「素晴らしいアピールをしてもらった。やっぱり、誰でもこの代表にこのポジションに入りたいと手を挙げています」と感嘆。前半終了時点で3-14とリードされ、32-17と逆転するまでの過程をこう振り返っている。
「すごいいい勉強になりました、サンウルブズのメンバーはよく知っているメンバーで、俺らの練習(内容)もわかっていた。最初はやりづらかったけど、最後まで頑張っていきました!」
さらにワールドカップでともに戦った姫野和樹は、ニュージーランドのハイランダーズでも主力としてスーパーラグビー トランス・タスマンの決勝に先発。合流まもなく今度のゲームは、リザーブで出番を伺う。
渦中、マフィは軸足をぶらさない。
以前から「モチベーションはたくさんあります。まずファーストは、自分の家族です。セカンド、日本の皆様」と話しており、目下の定位置争いよりも大きなものを見据えているようだった。
「もともと姫ちゃんはいい選手。ニュージーランドでも素晴らしい活躍をして、日本のラグビーを盛り上げた」とし、こう続ける。
「僕は、姫ちゃんに見せるんじゃなくて、日本のために(自分のプレーを)見せたい」
待ちに待った大一番は目の前にある。「人生のなかで(おそらく)このチャンス1回しかない。これは、(4年に一度開催される)ワールドカップみたい。楽しみにしています」と、目を細めていた。