国内 2021.06.05

クラーク記念国際高に女子ラグビー部(女子ラグビー専攻)。ダイナボアーズと産学連携

[ 編集部 ]
クラーク記念国際高に女子ラグビー部(女子ラグビー専攻)。ダイナボアーズと産学連携
フォトセッションにはダイナボアーズのSH榎本光祐(左端)、SH/SOイーリ ニコラス(右から2人目)、ダイボ君も駆けつけた。(撮影/松本かおり)



 トップチーム出身者が指導者。週末には、最高の練習環境の中で現役選手たちから刺激を受けることもできる。
 午後の授業は毎日、ラグビーの座学や栄養など、ラグビー、スポーツに関することを学ぶ時間となる。

 6月4日、クラーク記念国際高等学校(学校法人 創志学園)が横浜キャンパスに女子ラグビー部を創部すると発表した。
 三菱重工相模原ダイナボアーズとの産学連携協定を締結し、創部から3年目の全国優勝(全国U18女子セブンズなど)と「5年目でOGから日本代表選手選出」を目指す。

 クラーク記念国際高等学校は、全国各地にキャンパスを持つ全日型通信制という特徴を持つ。
 北海道本校硬式野球部は創部3年で夏の甲子園に出場し、仙台キャンパスには女子硬式野球部も。女子野球部は楽天イーグルスと連携しており、全国準優勝という結果を出している。

 そこに横浜キャンパスの女子ラグビーが加わる。
 来春(2022年)、スポーツコースに女子ラグビー専攻を創設(3学年で45人目安)。今夏に体験会などを実施して希望者を募る。
 平日の練習は横浜キャンパス近くでおこない(自グラウンドは持たない)、週末は相模原市にあるダイナボアーズの施設で活動する予定だ。同チームからフルタイム指導者の派遣、アナリストと連携した技術指導、ストレングスコーチやメディカルトレーナーの指導も受ける。

 昨春、横浜キャンパス長に就いた松木幸弘氏が女子ラグビー部創部を頭に描き、動き始めた。その際、地域への社会貢献を考える三菱重工と出会い、協議を重ねること1年。この日を迎えた。
 三菱重工は「三菱重工スポーツチャレンジ」と称し、企業スポーツ(ラグビー、野球、マラソン)及びトップスポンサーを務める浦和レッズを通じた「企業ブランド力」「社員エンゲージメント」「社会貢献・CSR」の向上に取り組んでいる。

 この日、横浜市内でおこなわれた記者会見に参加したダイナボアーズの石井晃GMは、「トップチームの活動そのものを提供します」と話した。
「神奈川でラグビーの普及や発展に関われて嬉しいですね。日本一の達成とオリンピアンの育成を実現できるようにしたい」
 松木横浜キャンパス長は、「神奈川で女子ラグビーと言えばクラーク国際。クラーク国際の生徒は、いきいきと、楽しそうにラグビーをプレーしているね、と言われるようなチームをダイナボアーズと一緒に作っていきたいと思っています」と夢を口にした。

 会見には、清宮克幸日本ラグビー協会副会長も参加した。
 学校法人創志学園のグループ校のひとつ、日本健康医療専門学校の校長を務め、ダイナボアーズ・石井GMの早大ラグビー部の2年先輩にあたることから、自ら「盛り上げ役として来ました」と場を和ませた。

「こんなに素晴らしく、嬉しいニュースはありません。女子ラグビーは、スポーツを愛する多くの女性にとってチャレンジできる場所。(誰もが持っている)少しずつの長所が集約されることで、ラグビーを通して化学変化が起こることを楽しみにしています。そういった場が高校世代にできることは本当に嬉しいこと」

 高校とトップチームで組んだスクラムが、前へと進み出す来春を楽しみに待とう。

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