夢のコンビは解消。NZと豪州の英雄、トヨタ退団公式発表。
世界中のラグビーファンの注目を集めた夢のコンビは、1シーズンで解消となった。
トヨタ自動車ヴェルブリッツが5月31日、退団する6選手を発表。そのなかに、2季在籍した元ニュージーランド代表主将のキアラン・リードと、1シーズンのみの契約だったオーストラリア代表主将マイケル・フーパーの名前もあった。
2度のワールドカップ優勝を誇るリードは世界最優秀選手に選ばれたこともあるNO8で、フーパーはオーストラリアの年間最優秀選手賞(ジョン・イールズ メダル)を3度も受賞した世界トップクラスのフランカー。テストマッチやスーパーラグビーなどで長年のライバル関係にあった2人が同じチームのバックローで一緒にプレーするということは、「ラグビー人生のなかで、まさかこういう機会があるとは想像もしていなかった」と彼らも語っており、夢のコンビ実現はファンを喜ばせた。
トップリーグ2021のプレーオフ準決勝でパナソニックに敗れたあと、35歳のリードは引退を表明していた。29歳のフーパーは古巣のワラターズに復帰し、オーストラリアに腰を据えて2023年のワールドカップをビッグターゲットとする。
2020-2021シーズンは茂野海人とともに共同主将としてチームをけん引したリードは、「この2年間、日本そしてトヨタでの私の時間を最高なものにしてくれた方々、今までありがとうございました。最高な経験を積むことができました。新しい文化に触れることもでき素晴らしい時間でした。トヨタで、そして日本全国から私とチームをこの2年間支えてくださり、ありがとうございました。本当に素晴らしい時間でした。これからのトヨタの成功を引き続き見られることを楽しみにしています」とコメントしている。
フーパーは、「今シーズンを通して、チーム、そして私に対してもみなさんの応援を肌で感じることができました。本当にありがとうございました。2021年はトヨタでプレーすることができ、大変楽しむことができました。いろんなチャレンジに直面することもありましたが、いつも会社やファンのみなさんの応援を感じていました。ありがとうございました。トヨタでの時間は短いものでしたが、日本そしてトヨタでは素晴らしい時間を過ごすことができました。今後のチームの健闘を祈ります!」とメッセージを残した。
そのほか、11年在籍したHO川西智治(33歳)が現役引退を決意。「楽しいことやつらいこと、普通に生活していたら経験できないことをたくさん経験しました。どんな時でもずっと一緒に頑張ってきた仲間との思い出は一生の宝物です。また、僕のことを知り、応援し続けてくれたファンの方々。知られた時にはなかなか活躍できず、リハビリや練習風景しか見せることができず、悔しい日々が続きました。そんな時に前向きに応援し続けてくれた皆様のおかげで、心の火を消すことなく、ラグビー人生を全うすることができました。これからは選手としてのキャリアは終わりますが、いつまでもヴェルブリッツファミリーとして、チームを応援し続けます。これからも僕の大好きな弟たちの応援をよろしくお願いします!」とコメントした。
そして、5年在籍して副将を務めたこともあったSH岩村昂太(27歳)も退団が決定。岩村は「最高のチームメイトと日本一を目指して過ごした日々は、かけがえの無い時間でした。また、どんな時でも温かく応援してくださったヴェルブリッツファンの皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。これからも、人として、ラグビー選手として成長できるように頑張っていきます」とコメントしており、現役を続けると思われる。
ほかに、4年在籍した元南アフリカ代表のLOジェイソン・ジェンキンス(25歳)、1年在籍したオーストラリア出身のLOジェド・ホロウェイ(28歳)も退団となった。
スタッフでは、南アフリカ出身で経験豊富なガート・スマルFWコーチなどがヴェルブリッツを去った。