国内最高峰対決を制したのはパナソニック! サントリーを倒し5シーズンぶりの日本一!
歴史に残る国内最高峰の戦いを制したのはパナソニック ワイルドナイツだった。
第58回日本ラグビー選手権大会を兼ねたトップリーグ2021プレーオフトーナメントの決勝が、5月23日に東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれ、パナソニックがサントリーサンゴリアスを相手に31-26と競り勝った。
国内リーグは来季から新しいリーグに生まれ変わるため、パナソニックは最後のトップリーグチャンピオンとなり、5シーズンぶり5回目の優勝。日本選手権としては、三洋電機ワイルドナイツ時代から数えて6回目のタイトル獲得である。
序盤、黄色いジャージーを着た世界的スターのボーデン・バレットが足で魅せ、サントリーがリズムをつかみかけていた。
しかし前半5分、流れが変わる。2021年度日本代表候補にも名を連ねているパナソニックのCTBディラン・ライリーが相手SOバレットのパスをインターセプトして約60メートル走り切り、先制した。
その後、パナソニックはSO松田力也がペナルティゴール(PG)を2本決めてリードを広げ、30分にも連続攻撃で敵陣22メートルライン内に入り、アドバンテージを得ると、松田が飛ばしパスで左外のWTB福岡堅樹に通し、青いジャージーの背番号11が2人のタックラーを振り切ってコーナーに飛び込み、トライが認められた。
この試合を最後に現役を引退する元日本代表の福岡は、今季リーグ戦で7トライ、プレーオフトーナメントに入ってからも4戦7トライ(計14トライ)と、日本最高峰のフィニッシャーであることを証明した。
20点差をつけられたサントリーは35分、敵陣深くに入ると、キャプテンのCTB中村亮土がパナソニックの堅守に対し、チップキックを使って自らボールを確保しトライを決め、チームを鼓舞する。
しかしハーフタイム前、パナソニックはFL布巻峻介がブレイクダウンでからんで相手の反則を引き出し、松田がPGを決めて加点、23-7で折り返した。
3季ぶりの王座奪還をあきらめないサントリーは、後半の立ち上がりよく、途中から出場していたCTB梶村祐介のビッグゲインからチャンスを広げ、敵陣深くに入るとオフロードを連続でつないでゴールに迫り、WTB中鶴隆彰がフィニッシュ。11点差とした。
だがパナソニックは55分(後半15分)、ラインアウトからモールドライブ後、さらにFWが前進してゴールに迫り、PRヴァル アサエリ愛がインゴールに突っ込み貴重な5点を追加。
それでもサントリーは食らいつき、70分、NO8ショーン・マクマーンがカウンターで中央突破してボールをつなぎ、SH齋藤直人がインゴール中央に持ち込み、9点差とする。その後、パナソニックにPGで突き放されたが、78分にも粘り強く攻め続けて、途中からWTBに移っていた尾崎晟也がトライを奪い、バレットのコンバージョンも決まって5点差となった。
そして、逆転を狙うサントリーはリスタート後、マクマーンが自陣深くから大きくゲインし、会場を沸かせた。が、ボールはつながらず、残り時間をパナソニックが守り切り、激闘はノーサイドとなった。