サントリーは、1トライ6PG1DGも「快勝」! ディフェンスだけじゃない、見せたアタックの圧力。
「キックかパスは状況の中での判断。クボタ、いいディフェンスのチーム。簡単にゲインできないと思ったのでキックを蹴ってアンストラクチャーを作って自分たちのゲームにもっていった」
SOボーデン・バレットの多彩なキックでクボタディフェンスの勢いを削ぎながら、機を見てランを仕掛けるチームの判断とスキルはさすが。粘りを見せた守りだけではなく、編み上げたアタックの圧力が、相手を次第に後手に回らせ、サントリーに勢いをもたらした。33分のトライは、たった一つだが、この日勝つのには十分なカンフル剤となり、サントリーのアタッキングマインドに筋を通した。
14-6で折り返した後半は、じわじわとスコア差を広げたサントリー。スコアは17-6、17-9、20-9、23-9と移り変わった。後半19分、サントリーがさらに3点を加えて26-9で17点差としたところからは、時間と、スコアを睨みながらの勝負となった。2T2Gでもひっくり返らない点差。クボタはまず1トライを目指して必死に攻めてきた。
しかし、26-9のまま試合は終わった。
大きくて重いクボタFWを向こうに、サントリーが1対1で決して引かず立ち向かったディフェンス、後半30分過ぎからゴール前で粘られたスクラムで後退しなかったことも、チームの大きな自信になったはずだ。
指揮官も手応えを掴んでいる。
「最後の20分はハッピーではなかったが。3週間の準備期間がある中で1対1のタックルはフォーカスして取り組んできたところ。キャプテンがしっかりディフェンスで引っ張ってくれた」(サントリー・ヘイグ監督)
後半35分、クボタは力をふり絞ってインゴールに飛び込むが、グラウンディングが認められず。サントリーのディフェンダーの腕が2本、3本とクボタの持ち込んだボールをくるんでいた。
磨きのかかったディフェンスに、本来のアタッキングマインド。両方に自信を得たサントリーは3季ぶり王座をかけて、パナソニックの待つ決勝の舞台に臨む。