韓国21年開幕大会は大学1部、慶煕大が制す。2部でセギョン大がデビュー戦勝利

　2021年度韓国ラグビー界の初戦となる「2021春季リーグ戦」。大学が1部（A）4校、2部（B）3校の参加で4月17日から25日まで京畿道楊州市（ヤンジュ）にある高麗大運動場でおこなわれた。

＜大学1部＞

　慶煕大は初戦、檀国大から7トライを奪い41－0で発進。残り2試合を終盤の逆転で勝ち、3戦全勝で優勝した。国内大会優勝は2015年の大統領旗大会以来6年ぶりの戴冠だ。

　2日目（4月21日）は高麗大戦（慶煕 34－33 高麗）。後半15分までで慶煕が29－19とリード。18分に高麗CTBホ・ドンがトライを奪い、ゴール成功で29－26と3点差に迫る。慶煕は24分にWTB、31分にPRが相次いでシンビンとなり13人となった。31分の反則を機会に高麗がNO8ファン・ジョンウクのトライにつなげ、ゴールも決めて29－33と逆転した。　　
　35分、高麗LOチョン・ジョンテクがシンビンで14人と同数の戦いになった。このチャンスを慶煕がいかし、FLチェ・ソンドクがトライラインを越え34－33と勝利を手にした。

　最終日（25日）も慶煕が延世を32－27で制した。後半15分に慶煕は右PR李ジェファンが自身後半2つ目のトライ、ゴールキックはFBチャン・ヒョングが決めて25－20とリードを奪った。6分後、延世は自陣の慶煕ボールラインアウトの投入ミスを奪うと、CTBユン・ヨンミンへつなげてトライ。ゴールもユンが決めて25－27へ。
　しかし残り10分に迫った29分、延世陣22メートル上、延世ボールスクラムで慶煕が押しコラプシングを誘った。続く慶煕のラインアウトでも延世がモールを崩した。タップからゴールラインへ迫るとPR李がハットトリックとなるトライ、ゴール成功で32－27と逆転。残り10分を守り優勝した。

　初日に延世大・高麗大のライバル対決がおこなわれ18－18で引き分けた。お互いに譲らず最後20分間の勝負に。後半21分に延世SOコ・スンジェが高麗陣22メートルで得たPGを決めて11－13と逆転した。30分、高麗は延世陣でスクラム。準備したサインプレーを出す。走り込んだアウトサイドCTBホ・ドンがボールをもらいインゴールへ走り込んだ。ゴールキックは金ヒョンジンが決めて18－13へ。試合終了前に高麗が攻め2017年以来のライバル戦7連敗脱却かと思われた。しかし、延世がターンオーバーしつなぐ。右CTBに入ったユ・ヨンミンが最後は右隅にしとめ同点で終えた。

■試合結果
1日目：慶煕大 41－0 檀国大、高麗大 18－18 延世大
2日目：慶煕大 34－33 高麗大、延世大 64－16 檀国大
3日目：高麗大 68－6 檀国大、慶煕大 32－27 延世大

＜大学2部＞

　圓光大（ウォングァン）が優勝。圓光大が釜山大を51－7、セギョン大を19－7で下し優勝した。

　国内10番目の大学チームとした誕生したセギョン。初戦の釜山大戦（21日）をFW、BK一体となった攻めで8トライ奪い51－12（前半 24－7）で圧倒し韓国ラグビー史に一歩を記した。

　前半3分、敵陣スクラムを起点に主将NO8ヤン・テヨンが初トライを記録。ゴールキックはSO金ジェウォンがこちらも記念となる2点をあげた。
　釜山が同点にすると18分にこの日、ボールキャリーで才を見せゲインを切り続けたFBチェ・ジユンが敵陣へ。ラックから出たボールをNO8ヤンが2本目のトライ。チェは前半にもランでトライをおぜん立てし24－7で折り返す。NO8ヤンは3分、28分に2トライで計4トライを奪った。FBチェも7分、22分とトライし初戦に躍動した。

　監督は元韓国代表LOの金泳男（キム・ヨンナム）氏。三星SDIから2008年にNTTドコモレッドハリケーンズに加入。2010年リコーブラックラムズ、2011年から13年季はクボタスピアーズでリアルロックとして戦った。
　韓国帰国後は明錫高（ミョンソク）高コーチに就任し「日本で学んだ基礎を大事に。パスを大切にする」を子どもたちに教え同校を国内4強常連校へと育てた。
　金監督を慕い選手も集まった。NO8ヤンは強豪ソウル大附属高、U19韓国代表だ。FB李はソウル大附高だがラグビーを続けたいと軍隊で兵役を終えて入学。SO金ジェウォンはU20セブンズ代表、LOチェ・ソングァンはU18セブンズ代表の経験がある。
　彼らの中から代表ジャージに袖を通す選手を金監督は育てる夢がある。