フランスラグビー徒然。mars(3月)その2。代表選手不在で四苦八苦のトップ14。Canal+が2027年まで放映契約更新
翌週のラシン92戦では、代表チームに発生したクラスターで濃厚接触者となっていたスラン、カルボネル、また陽性反応だったWTBギャバン・ヴィリエールが帰ってきてチームに勢いと自信を与え、今季常に上位を維持しているラシン92に勝利した。「ほっとした」が試合後会見に現れたコラゾ監督の第一声。「グラウンドにエネルギーが溢れていた。バティスト(スラン)とルイ(カルボネル)がよくやってくれたが、他の選手のマインドセットができていたから。それが最も重要だ」と、頬をゆるめていた。
SHスランは「代表チームに行っている間、何もできなかったから、今日はとにかくポジティブなエネルギーをチームに与えたかった。成績を選手の不在のせいにしてはいけないが、今日も17人が試合に出られない状態で(通常24人目、25人目の選手が控えで待機している)、チームは控えなしの23人だけ。試合前のウォーミングアップでは、コラゾ監督とジュリアン・デュピュイBKコーチが入っていた。誰もアップで怪我しなくてよかったよ」とほっとしていた。
早すぎる契約更新の背景にコロナの影
現在、トップ14の全試合を独占放送している 「Canal +(カナル・プリュス)」が、2023-2027年の4季分の独占放映権契約を、1季につき1億1300万ユーロ(約146億円)で更新した。現在の放映権料の17%増になる。現行の契約終了までまだ2年半もあり、またコロナ禍で経済・社会情勢が不透明なこのタイミングで更新するのは焦りすぎという声もあったが、「現状を考慮して、財務面での安全性を確保しておきたかった」と、LNRのポール・ゴス会長は言う。
契約を急いだ背景には、今季初めてフランスサッカーのリーグ1の放映権を落札した、中国・スペイン資本の「メディアプロ」がコロナ禍による財政難のため、支払いを履行できなくなるトラブルがあり、そういったリスクを危惧したとも言われている。
サッカーのリーグ1は、今年2月から従来の放送局であったカナル・プリュスが再び放送することに。今季はトップ14の好カードが、日曜21時のゴールデンタイムに割り当てられていたのだが、サッカーがカナル・プリュスに戻ってきたことで、ラグビーは昨季までの土曜21時の枠に戻されてしまった。これも余波と言えるかもしれない。