国内 2021.03.05

Hondaの2人は特別な思いでトヨタに挑む〈前編〉 秋山陽路は弟・大地にやっぱ負けたくない。

[ 明石尚之 ]
Hondaの2人は特別な思いでトヨタに挑む〈前編〉 秋山陽路は弟・大地にやっぱ負けたくない。
開幕から2試合はLO中川真生哉との交代で出場した6年目の秋山陽路(撮影:大泉謙也)

「兄弟対決ですし、自動車メーカーダービーでより一層力が入る。頑張ります!」

 開口一番、そう意気込んだ秋山陽路は、弟のことになると楽しそうに喋り出す。Honda HEATに加入して6年目。先月29歳になった。
 弟はHondaのライバル会社・トヨタ自動車で、陽路と同じLOのポジションで活躍する秋山大地だ。

「弟は真面目で黙々とやるタイプ。僕はどちらかというと『わーわー』やりたいタイプで、兄弟でもタイプは違うかもしれません(笑)」

 3月6日におこなわれるトップリーグ第3節。Hondaはトヨタ自動車とパロマ瑞穂ラグビー場で対戦する。4日にはメンバーが発表され、陽路はリザーブに入り、大地は背番号4で先発出場することが決まった。

 5つ離れた兄弟は同じカテゴリーに属することがなく、直接対決がなかなか実現しなかった。初めて体をぶつけ合ったのは、大地がトヨタ自動車に加入した1年目の昨季。シーズン途中で中止となったトップリーグ2020の第4節だった。
 そのときは今回と逆の立場。陽路が先発で、大地がリザーブ。大地は後半開始と同時にグラウンドへ。陽路が後半16分に交代するまでの短い間、初の兄弟対決が実現した。

「(2人ともグラウンドにいたのは)10分くらいでした。タックルを一度だけ受けたと思うんですけど、そのときは必死過ぎて、弟がいつ入ってきたかもあんまり覚えてなかった(笑)。
 なので今回は、シェイプなどチーム内の役割はありますけど、もし前に立っていたら狙ってったろうかなと考えてます(笑)」

 6日は2度目の対戦となるが、前回の対戦を兄弟同士で話したことはない。仲は良いのかと問われると、「小さい時はよく泣かしてたんで、向こうがどう思ってるのかわからないです」と笑う。それでも、「SNSで『頑張るぞ!』みたいな投稿すると、『負けないように頑張るわ』と(レスポンスが)返ってきます」とほんわかエピソードを明かしてくれた。

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