国内 2021.03.03

トップリーグ、第3節はここを見る。連勝中ドコモは「しつこい」リコーとチーム力を競う一戦に【J SPORTSで全試合LIVE配信】

[ 編集部 ]
トップリーグ、第3節はここを見る。連勝中ドコモは「しつこい」リコーとチーム力を競う一戦に【J SPORTSで全試合LIVE配信】
TJことTJ・ペレナラをトリガーに、一気に仕掛けるドコモ(撮影:石井愛子)

 今季、トップリーグが面白い。前シーズンの中断から1年、待ちに待った開幕後は好勝負の連続。その準備期間の充実ぶりが反映された試合が続いている。

 第3節は3月6日に開催される。ラグビーリパブリック/ラグビーマガジン注目のカードはこの二つ。

◆3月6日(土)14時@大分・昭和電工ドーム
キヤノンvsパナソニック

◆3月6日(土)14時@大阪・花園
NTTドコモvsリコー

ベースの確かさ、試される
キヤノンvsパナソニック
パナソニックPRの稲垣啓太とLOジョージ・クルーズ(左)の協働。クルーズはトップリーグ史上2人目のイングランド代表選手(撮影:大泉謙也)

 パナソニックは個々の成熟度の高さが反映し、今年も「負けにくい」チームだ。試合中の修正能力も高く、フロントローだけ見てもPR稲垣啓太、HO坂手淳史、HO堀江翔太、PRヴァル アサエリ愛と日本代表経験者が居並び、BKにも複数の国際的名手の名前が。彼らがバトンタッチしながら、それぞれタイムリーに活躍する姿が見られるとなれば、対抗するのは難しい。

 パナの前進をどう止めるのか、キヤノンは力を出し切らねばならない試合になった。

 新指揮官・沢木敬介の指導がこの正念場でどう開花するかが見どころだ。第2節の神戸戦についでパナソニックと、上位進出への力を試される時。セットプレーやディフェンスなど戦術の基盤を築いてきたが、第2節では10-73と大敗を喫した。ケガに見舞われたHO庭井祐輔副将、SO田村優が引き続き不在なら影響は大きいが、全メンバーを見渡せばは個性豊かなスコッド。神戸から移籍でセブンズプレーヤーとしても実績があるFL安井龍太、サンウルブズでの活躍が記憶に残る第3列のエドワード・カークらの実力は折り紙付きだ。どんな構成でメンバーを組むのか、どんなことにフォーカスした戦いを見せるのか注目したい。

神戸戦からの切り替え、結束が試されるキヤノン。右はFL安井龍太(撮影:石井愛子)
神戸戦からの切り替え、結束が試されるキヤノン。右はFL安井龍太(撮影:石井愛子)
スターの活躍は、チーム力が支えている
NTTドコモvsリコー

 選手個々が生き生きしている。それはチームが充実しているからだ。

 NTTドコモも新指揮官の鍛錬と統率の下で力を伸ばしている好チームだ。今季からヘッドコーチ(以下、HC)のヨハン・アッカーマンは南アフリカ出身。現役時代は南ア代表LO、コーチのキャリアでは、低調だったチームを甦らせる手腕に定評がある。一つ前の職はイングランドプレミアシップ、グロスターのHCだ。

 アッカーマンが率いるチームは練習がいい雰囲気。ハードで、しかも選手たちの表情が生きている。所属チームを選手、スタッフ一人ひとりから把握しようとするアッカーマンの仕事が、まず練習場に表れているのだ。そして、その成果は試合にも色濃く表現された。フィールドのキーマンの一人は間違いなく、背番号9で躍動するT J・ペレナラだ。ボールさばきのリズム、自ら持って走るスピード、ボールをつなぐスキル、人への強さでトライやアシストを連発している。2節では日本デビューとなったSOオーウェン・ウィリアムス(ウェールズ代表CTB)とのコンビでも魅せた。もちろん彼らが光るのは、セットプレーの向上や、周囲の選手の反応の鋭さがあってのものだ。

 対するリコーは、2節でヤマハを1点差で破る星を挙げて注目度を上げている。一つ前の週、敗れた初戦の捉え方がよかった。

リコーCTB濱野大輔が体の軸を相手に打ち込む(撮影:毛受亮介)

 セットプレー、ディフェンスは、リコーが近年作り上げてきたチームの安定感の源だ。それを第1節パナソニック戦で相手に上回られた時、真っ直ぐ受け止め、第2節へ向かっては、なお自分たちらしさを貫きにいった。ヤマハもセットに重きをおくチーム、ここでしっかりリコーの力を出し、前半からエナジー全開でリードを奪った(前半16-3ヤマハ)。後半に連続3失トライでまくられながらも、声をかけ合い1点差を守り切った体験はチームをもう一回り大きくするだろう。

 ドコモとリコーの戦いのキーは、リコーの規律。諦めないディフェンスの文化が構築された一方で、激しさあまってタックルが反則気味になる傾向がある。ドコモが要所で見せる一気呵成のアタックに、どこまで、ペナルティをせず自分たちのディフェンスを貫けるか。一方のドコモは、連続アタックで「しつこい」リコーを振り切る粘りの全員サポートが、できるのか。

 双方、チームとしてのチャレンジが楽しみな一戦だ。

 次の土曜は全8カードが行われる。どれを見ようか。どれから見ようか。ラグビーファンにとっては悩ましい週末になる。

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