国内 2021.02.13

「トーナメントのつもりで戦った」。釜石、トップチャレンジ開幕戦で笑う

[ 編集部 ]
「トーナメントのつもりで戦った」。釜石、トップチャレンジ開幕戦で笑う
チームをよくまとめた釜石CTB小野航大共同主将。タックルを受けながらも前に出る。(撮影/松本かおり)



 暖かな土曜の午後。13時ちょうど、前田樹レフリーの吹くホイッスルが響いた。
 2月13日、トップチャレンジリーグが開幕した。東京・昭島の栗田工業グラウンドでは、ホストチームのウォーターガッシュが釜石シーウェイブスを迎えた一戦がおこなわれた。
 フルタイムの笛が鳴った時に笑顔だったのは赤いジャージー。35-24で釜石が勝った。

 無観客試合だったが、金網越しに何人かの地元ファンが見つめていた。その前で悔しい敗戦を喫した栗田工業のFB杉森健太郎主将は、試合後に「終始相手のペースで戦ってしまった」と反省した。
 釜石は、セットプレーと接点で圧力をかけ続けて勝利をたぐり寄せた。

 前半15分に奪った先制点は、スクラムで相手反則を誘ったのがきっかけだった。その後のPKからラインアウト、そしてモール。FWが攻め続けてインゴールに入った。
 28分には逆に反則から栗田工業に攻め込まれてトライを許し、PGで逆転されたが、前半終了間際に粘り強く攻め続けた。最後にインゴールに走り込んだのはFB滝沢祐樹。CTB小野航大共同主将(ゲームキャプテン)が切れ込んだところを好サポートした結果だった。

 14-10と釜石リードで始まった後半は、栗田工業に先手を許して逆転された(13分/14-17)。
 しかし、直後のキックオフを受けての攻撃でトライを奪い、あっという間にスコアをひっくり返した(21-17)から勢いが出た。
 その直後のキックオフを受けての攻撃で再び攻め切る(21分/28-17)。そして32分には、SH南篤志が敵陣22メートルライン付近のスクラムから走り切ってとどめを刺した(35-17)。

 自身の誕生日に選手たちから勝利をプレゼントされたスコット・ピアース ヘッドコーチは、「前半は反則が多かったけどFWがよく頑張った」と言った。
 小野主将はコロナ禍で短くなったシーズンの開幕にあたり、「ひとつの試合を勝ち切ることが大事。きょうからトーナメントの試合を戦うつもりでやろうと言って臨みました」と話した。

 それぞれ201センチ、200センチのチャールズ・マシューとベンジャミン・ニーニーを核にしたFWが牽引して勝利をつかんだ80分。
「反則を減らさないと、上位と戦ったときには勝敗が変わってしまう」(ピアースHC)と反省も忘れなかった釜石は、この先もトーナメントの意識を持ち続ける。

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