国内 2021.02.02

クボタ、開幕戦代替のイベントで「エキサイティングな気持ちをキープして」。

[ 向 風見也 ]
クボタ、開幕戦代替のイベントで「エキサイティングな気持ちをキープして」。
クボタスピアーズのフラン・ルディケHC(左)と立川理道キャプテン


 機先を制した。

 国内最高峰ラグビートップリーグの開幕延期が決まるや、加盟するクボタは本来の開幕日である1月16日にファン向けのオンライントークイベントを企画。フラン・ルディケ ヘッドコーチ(HC)、立川理道主将が登壇し、メッセージを伝えた。

 「人生は何でも起こりうる」とはルディケHC。今度の決定を悔しがる関係者とも、「起こったことは、起こったこと」と話し合ったという。

「これは試合でミスをした後に切り替えるのと一緒。ネクストジョブです。一度立ち止まり、次にどうするかと切り替えたところです。ファンの方にはエキサイティングな気持ちをキープしていただきたいです」

 おりしも、他チームで新型コロナウイルスの感染者が増えていた。立川はルディケHCの意にうなずき、こう続けた。

「こういう日本の状況では、誰が(陽性反応者に)なってもおかしくないので、感染者が出てしまったチームが悪いわけではなくて。外のニュースに振り回されえず、自分たちができることをしっかりやって、モチベーションを保ちながら次の試合へ準備していくだけだと思います」

 広報の岩爪航さんによると、チームがオンライン会議アプリの「ZOOM」でイベントを実施したのはこの回で13度目だった。当初は80名限定の抽選制の予定も、100名超の応募者のうち8割が開幕節のチケットを購入していたことに岩爪さんは「ここから誰かを落とすことはできない」と反応。「ZOOM」の機能をアップグレードさせ、全員参加を決めた。

 イベント中、2人はファンの質問へも答えた。ボスとの信頼関係を築く過程について聞かれ、立川は「対フラン(に限った話)です」としてこう述べる。

「フランはよく観察しているし、よく見ている。だから冗談は通じないと思うので、自分の気持ちを正直に話すことが一番です。それが言いにくいことがあっても、正直に話さないことの方が、結果はよくない。自分の気持ちを話さないと信頼関係は生まれないかなと思っています」

 ルディケHCはこうだ。

「自分は、自分にコミットしてくれる人にはリスペクトを払う。正直さは大事です。さらに言えるのは、ハルはしっかりとポイントを突いて話してくれる。無駄な時間がない。そこには感謝している」

 2月20日、千葉・成田市中台運動公園陸上競技場で宗像サニックスとの初戦を迎える。かつてスーパーラグビーのブルズを率いた指揮官は「アイルランド、ニュージーランドにいるコーチともどんなこと(感染対策)をしているのかについて話をしました。メディカルチームの指示に従い、規律を守らせる。健康でいることに感謝する」。特異な状況下で揺るがない。

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