![【ラグリパWest】目でいわす。片岡涼亮 [近鉄ライナーズCTB/WTB]](https://rugby-rp.com/wp-content/uploads/2021/02/Liners_IMG_5180.jpg)
【ラグリパWest】目でいわす。片岡涼亮 [近鉄ライナーズCTB/WTB]
片岡の目つきが鋭くなるのは小学校の高学年である。
「空手をやっていました。ヘッドギアをつけたフルコンタクトです」
わずかな空間。孤立無援。痛み…。逃げず、向かって行く気持ちはこの時、養われる。
摂津四中に入学後、競技を始める。関西より都会である関東へのあこがれもあり、流経大柏へ進む。高校3年間は大阪を離れ、千葉に住み暮らした。同期は神戸製鋼のFL粥塚諒やパナソニックのCTB新井翼である。
高3の時には鮮烈な思い出が残る。
朝4時、「起きろ!」の声がとどろく。
「火事かな、って思いました」
グラウンドでは監督になった相亮太(あい・りょうた)がベンチコートを着て、仁王立ちしていた。100メートルのダッシュを137本こなした。
「まつげが凍っていたのを覚えています」
極寒の中での根性練習だった。
「相先生はめちゃくちゃいい。精神論を含めた松井先生のいいところはもちろん、現代ラグビーの細かいところも採り入れています」
相は情報科教員になる前は、トップリーグのリコーに9年間在籍。最先端を知る。
片岡が高3時の全国大会は95回(2015年度)。3回戦で石見智翠館に19−24で敗れる。
この年は監督交代もあり、結果がでなかったが、松井から相に受け継がれたチームは、今や全国4強1回、8強8回の名門に育つ。
大学は関西に戻る。松井が間に入ってくれ、立命館に入る。主将だった4年時は選手権出場を逃す。関西6位に沈んだ。
「チームの和はあったと思います。ただ、ラグビーと勉強のバランスが難しかった」
関関同立の一角は楕円球に人生をかけなくてもよい。大学名である程度、就職できる。集団をまとめる難しさを経験した。
その不甲斐なさも社会人で払拭したい。
トップリーグに準じるトップチャレンジの開幕戦は2月14日。初戦は清水建設。ホームの花園ラグビー場で13時にキックオフされる。無観客である。
「僕はアタックがすごいわけでも、タックルが強いわけでもない。人よりも勝っている部分は気持ち、姿勢だと思っています」
目は細くなり、さらに光る。公式戦デビューはとるか、とられるか。命がけで行く。