国内 2021.01.20
天理大学特集! 9年前の初決勝から変わらない色(前編)

天理大学特集! 9年前の初決勝から変わらない色(前編)

[ 編集部 ]

年を越してラグビーができる。
WTB⑪木村和也[県立川口/埼玉]

 決勝で電光石火の走りで先制トライを決めたWTB木村和也。関西出身の選手が多い中、埼玉県川口高の出身。ラグビー好きの父に連れられ、小さい頃から秩父宮や国立に通っていた。小2のとき、地元・川口にラグビースクールができたことで楕円球の道へ。中学ではラグビー部はなくテニス部に所属。月に1回、県内のRS指導者が中学にラグビー部のない生徒たちを集めて指導する請習会に、熊谷まで通っていた。

「テニスを始めたら面白くて、はまった時期もあったんですけど、結局ラグビーが好きで戻りましたね」

 地元川口高校に進学。兄・太郎さんも所属していた縁で天理に入学する。1年のときは先輩のケガもあり、FB、WTBでスタメンに抜擢されたが、翌年、メンバー表に名前はない。「春のオープン戦で手首を折ったのが長引いて、結局、復帰したのは関西リーグの終わり。リハビリ中はボールも持てないから、走ることしかできなかった。あの時期が一番つらかったですね」

 翌年からはレギュラーに定着、ポジションを守り続けた。

「帝京大戦は応援してくれる皆のためにも勝ちたかったけど、最後の最後で力の差を見せつけられた。FWが頑張ってくれたから、あの点差だったんだと思います」

 卒業後は兵庫県警に就職する。本当はラグビーを続けたかったが、声をかけてくれるチームはなかった。

 兵庫県には強豪クラブ六甲ファイティングブルもあるが、職業柄、土日が休めるはずもない。木村にとってはこれから迎える日本選手権が、ラストステージになる。

「年を越してラグビーができるなんて初めてのこと。いい経験。日本選手権にまた頑張っていきます」(つづく)

当時4年生、WTB木村和也(撮影:早浪章弘)


◎第48回大学選手権決勝(2012年1月11日) 帝京大15―12天理大

【帝京大メンバー】

1.吉田康平 2.白隆尚 3.前田龍佑 4.ティモシー・ボンド 5.ジョシュア・マニング 6.大和田立 7.松永浩平 8.李聖彰 9.滑川剛人 10.森田佳寿 11.菅谷優 12.南橋直哉 13.中村亮土 14.伊藤拓巳 15.竹田宜純 16.佐藤啓示 17.辻井健太 18.小山田岳 19.木下修一 20.中村有志 21.橋口功 22.小野寛智

【天理大メンバー】

1.藤原丈宏 2.芳野寛 3.金光大生 4.田村玲一 5.上田聖 6.唄圭太 7.関口卓雄 8.山路和希 9.井上大介 10.立川理道 11.木村和也 12.アイセア・ハベア 13.トニシオ・バイフ 14.宮前勇規 15.塚本健太 16.清水洋志 17.高屋敷拓也 18.村東宣佳 19.渡部文泰 20.山本昌太 21.鈴木心喜 22.松井謙斗

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