国内 2020.12.29

関西学院大の2020年。厳しいシーズンを過ごした主将・HO竹内海斗の奮闘。

[ 明石尚之 ]
関西学院大の2020年。厳しいシーズンを過ごした主将・HO竹内海斗の奮闘。
常にチームのことを考えていた主将、HO竹内海斗(撮影:早浪章弘)

 2020年は関西学院大にとって厳しく、不本意に終わったシーズンだった。

 21―28。

 11月29日におこなわれた関西大学Aリーグの順位決定戦。関西学大は3位決定戦で京産大に敗れ、全国大学選手権出場を逃した。HO竹内海斗主将は悔しさを吐露する。

「僕たちは本気で日本一を狙えると思っていました。負けてからも1週間くらい負けた感じがしなくて…。まだ練習に行く感じがしたり、急に何もなくなったので落ち着かなかった」

◆1年時からAチームでプレーしてきた竹内海斗主将

 昨季の大学選手権、準々決勝では明大と接戦を演じた(●14―22)。スクラムで優位に立ち、ディフェンスで体を張り続けた。

「今年はFWを強みとしてやってきましたし、FWは日本のどこよりも強い自負がありました」

 そのFWを牽引したのがHO竹内主将だった。明大戦でも2番を背負い、後半35分までグラウンドで奮闘した。

「どんなにしんどい状況でも、最前線立って動いていた自負はありますし、そこでは誰にも負けない」

 日本一のチームをあと一歩まで追い詰め、「日本一までの距離が分かった」今季だったが、京産大戦ではそのFWで苦杯をなめた。

「なかなか相手のスクラムに対して、うまいこと組めなかった。僕たちはヒットの瞬間で相手を崩すイメージで組んできたけど、ヒットの瞬間に相手に引かれて、僕たちが落ちてしまったり、引かれた分、こっちの足伸び切ってしまったりということがあった。FW起点で作っていたチームとしては、そこの強みを出せなかったのが敗因」

 思わぬ敗戦だった。順位決定戦の前週におこなわれた天理大戦では後半に突き放されて17―43で敗れたものの、前半は17―14でリードしていた。手応えを感じた中での京産大戦だった。

「(天理大戦は)分析する中でも、自分たちの力を出せれば絶対に勝てるという自信がありました。僕たちは自粛期間が明けるのが遅かったけど、自分たちのできることをちゃんとやってきました。そこが出せた」

「京産戦では自分たちのマインドセットのところで劣っていました。天理戦はみんな気持ちが入っていたのに、京産戦のときはそれほどの気持ちというか、心のどこかに余裕が…。勝てるという浮ついた気持ちがあったかもしれないと、振り返れば思います」

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