第100回、きょう開幕! みんなの花園① 各地に光 届けた、オータムチャレンジ
堅実なディフェンスからターンオーバーでカウンターを仕掛ける専大松戸はプランどおりに試合を進め前半で3トライをあげる。0-17で前半を折り返した。ハーフタイムで鈴木監督は、焦りの見える選手に笑いかける。「残り30分で自分たちのラグビーをやってこい!」
日立一高は、3年生が秋まで部活動を続けることは希で、夏には1、2年生に世代交代する部がほとんどだ。ラグビー部も例外ではなかった。しかし、ここ数年は全国大会県予選まで部活動を続け試合に出る3年生が出始めた。保護者に諭され、部活動を去る選手も少なくない。鈴木監督も、秋からは3年生の練習を平日は3日、土日はいずれかの1日とし、学習時間をこれまで以上に保障する措置をとって部活動を続ける3年生へ最大限の配慮をしてきた。監督の言葉にもう一度気持ちを入れ直す3年生。残り30分での巻き返しを図るため、志賀キャプテンを中心に円陣が組まれた。
「まずは、1トライ。後半は先に点を取る。」
開始1分。ハーフウェーライン付近からSO半澤がラインブレイク。一気にゴール前まで進んで相手FBと1対1になると、インゴールめがけてショートパントを蹴り込んだ。しかし楕円球は無情にもカバーリングに走る相手選手の前に跳ね返り、一気にカウンターを仕掛けられる。全員が前がかりで攻めていた直後のターンオーバー。後半も先制したのは専大松戸であった。
16分、相手陣22㍍付近からの連続攻撃で攻め込んだ日立一は絶好機を迎えるが、ゴールライン直前でのノックオン。あと1㍍が遠い。勝利へのプレッシャーなどではなく、相手の堅実なディフェンスがミスを誘発させていた。ラストチャンスであるのは、日立一高だけではない。オータムチャレンジトーナメントに参加したすべての学校がその思いで試合に臨んでいる。このゲームではディフェンス力とエリアマネジメントにおいて専大松戸が明らかに勝っていた。