国内
2020.12.18
第100回まであと9日! 決勝再現②第91回・東福岡36-24東海大仰星
史上5校目の3連覇。東福岡が292得点を挙げ大会新記録を更新
その成長力が如実に表れたのが、準決勝の常翔学園戦だった。序盤、ひたむきに体を当ててこの危機を切り抜けると、風上に回った後半に攻撃力が爆発。残り10分から3トライを重ねた。
そして2012年1月7日、迎えた東海大仰星との決勝は、今季の集大成になった。
前半4分、SH岩村昂太のPGで東福岡が先制。さらに直後の5分には、中盤のスクラムから仰星がラインアタックを仕掛けたところへ、WTB中野涼が吸い込まれるように走り込んでパスカット。そのまま60㍍を独走して、一気にリードを広げる。
実はこの時、仰星が選択したのは、東福岡との練習試合で「ほぼ100㌫抜けたサインプレー」(土井崇司監督)だった。これに対し東福岡は、東川が猛然とプレッシャーをかけてパサーの余裕を奪い、空けておいたスペースへパスを放らせて、中野が好判断でインターセプトを決めたのだった。
前半は22-5で折り返した。
後半も先にスコアを刻んだのは東福岡。さらに16分には、自陣での左展開からFB藤田が突破し、WTB藤崎巧へとつないで試合を決定づけるトライをマーク。残り時間とスコアをふまえた試合運びでゲームを制御し続ける。これぞ王者の真骨頂というべき横綱相撲だった。
この優勝で史上5校目(6回目)となる花園3連覇を達成した東福岡。2009年1月に始まった国内公式戦の無敗記録は80まで伸び、今大会の合計得点292は、2年前に同校が樹立した大会記録を更新する最多記録となった。
◎発売中!『高校ラグビー花園の記憶』 記憶に残る懐かしの試合がよみがえる