【RWC2023 プールB】 連覇狙う南アはアイルランド、スコットランドと同組
2019年11月2日に横浜で栄冠に輝き、2023年にはパリでラグビーワールドカップ連覇を狙う南アフリカ代表“スプリングボックス”だが、2023年大会のプールステージ突破は簡単にはいかないかもしれない。伝統を持つアイルランド代表とスコットランド代表が一緒のプールBに入った。
南アフリカは今年、新型コロナウイルスの影響で国際大会・試合にまったく参加できず、連覇へ向けての強化が心配されている。しかし、2021年はビッグイベントであるブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズとのテストシリーズを控えており、選手たちのモチベーションは高い。
ヘッドコーチは世界一に導いたヨハン“ラシー”・エラスマスからジャック・ニーナバーに替わったが、戦略家のエラスマスはディレクター・オブ・ラグビーとして強化に携わっており、継続して盤石な体制だ。
南アフリカのクラブチームはこれまで、スーパーラグビーで同じ南半球勢のニュージーランド、オーストラリア、アルゼンチンのチームと戦ってきたが、2021-2022シーズンからはアイルランド、スコットランド、ウェールズ、イタリアのプロクラブが集うリーグに参加するのが濃厚で、それがどう影響するかも注目である。
アイルランドは、2018年に世界最優秀選手に選ばれたSOジョニー・セクストンがキャプテンを務め、相棒のSHコナー・マレーも経験豊富だが、セクストンは現在35歳、マレーは31歳で、3年後を見据えると、パフォーマンスの低下が心配され、世代交代を求める声もある。絶対的な司令塔の好・不調が大きく影響するチームだけに、2020年から指揮するアンディ・ファレル ヘッドコーチがいかにマネジメントしていくか注目される。
スコットランドは、2019年ワールドカップはアイルランドと日本に敗れプールステージ敗退に終わっており、リベンジに燃える2023年大会となる。スコットランドラグビー協会はグレガー・タウンゼンド ヘッドコーチと契約を延長したばかりで、2023年のワールドカップもタウンゼンド体制で挑む。
今年のシックスネーションズは3勝2敗の4位だったが、勢いのあるフランスを倒しており、ウェールズにも勝利。敗れたアイルランド戦とイングランド戦はどちらも7点差の惜敗であり、手ごたえをつかんでいる。
このプールに入る残りの2チームは、アジア/パシフィック地区1とヨーロッパ地区2。
アジア地区は、2021年のアジアラグビーチャンピオンシップ(香港、韓国、マレーシアが参加)が予選となり、優勝チームがプレーオフ進出。パシフィック地区は、トンガ×サモアの敗者がオセアニアラグビーカップ2021の1位と対戦し、勝った方がアジア予選優勝チームとのプレーオフに進み、そのプレーオフ(ホーム&アウェイ)で勝ったチームがアジア/パシフィック地区1としてワールドカップ出場権獲得となる。
ヨーロッパ予選(出場2枠)は2021年と2022年のラグビーヨーロッパチャンピオンシップで決めることになっており、ジョージア、スペイン、ルーマニア、ポルトガル、ロシアなどが争い、2位になったチームがこのプールに入る。