モアナ・パシフィカが歴史的第一歩 NZマオリ相手に力証明しスーパーラグビー参入へアピール
2022年以降のスーパーラグビー新規参入を目指す“モアナ・パシフィカ”が、歴史的な第一歩を踏み出した。
フィジー、サモア、トンガをルーツとする選手で結成されたこのチームは、ハミルトン(ニュージーランド)のFMGスタジアム ワイカトで12月5日、ニュージーランドの先住民族マオリの血を受け継ぐ選手で編成される“マオリ・オールブラックス”と対戦。21-28で惜敗したが、パシフィックアイランド(太平洋諸島諸国)出身のラガーマンたちに希望を与えた。
開始早々、モアナ・パシフィカの背番号8をつけたフィジー出身のピタ・ソワクラが魅せた。自軍がキックオフしたボールを果敢に空中で確保し、まもなく相手に反則が出て、先制のペナルティゴールにつなげた。ゴールキッカーを務めたジョシュ・イオアネはニュージーランド代表として1キャップを持つが、サモア系であり、この日は黒衣ではなくモアナ・パシフィカのジャージーを着て奮闘。10分と32分にもゴールポストを狙って成功した。
対するマオリ・オールブラックスは23分、この試合がデビュー戦となった21歳のFBカイレブ・トラスクが鋭い走りでディフェンスを突破してゴールへ駆け抜けた。
2点ビハインドで迎えた43分(後半3分)には、ラインアウトからモールで押し込み逆転。49分には、新鋭CTBクイン・トゥパエアが左サイドを駆け上がりキックも交えた個人技でチャンスメイクし、同じく21歳でデビュー組のCTBビリー・プロクターにつないでトライが生まれた。
それでもモアナ・パシフィカは食らいつき、53分、敵陣22メートルライン内で10フェイズを重ね、サモア代表のFLアラマンダ・モトゥンガがタックラーを外してチーム初トライを記録。
その後、再びマオリ・オールブラックスに突き放されたものの、76分にはゴール前のスクラムで相手のFWパックを崩し、2019ワールドカップ経験者のサモア代表SHドウェイン・ポラタイヴァオがボールを手にしてインゴールに突っ込み、コンバージョンも決まって7点差とした。
結局、マオリ・オールブラックスが28-21で制したが、モアナ・パシフィカはニュージーランドの伝統あるチーム相手に互角に戦い、スーパーラグビーでも勝負できる力があることを証明した。