偏愛・食い込み系記者の出場国プレビュー! ラグビー8カ国対抗戦 オータム・ネーションズカップ【イングランド/アイルランド】
ファンたちの失われた楕円の時間を取り返すように、次々と組まれる欧州のテストマッチ。今季のフレッシュな大会の一つがオータム・ネーションズカップ2020だ。シックスネーションズにジョージアと南洋・フィジーを迎えた顔ぶれで11月13日に開幕する。ラグビーリパブリックでは、出場各国に深く食い込む人物に原稿依頼。チームへの愛と造詣あふれるプレビューを順次紹介していく。最初はグループAに同居するイングランド、アイルランド。英国在住のスポーツライター/ITコンサルタントの竹鼻智氏がアップする。
絶対的司令塔の下、アイルランドが巻き返す
開幕戦の2月1日から、最終戦の10月31日と実に9か月に及んだ2020年のシックスネーションズでは、3位に終わったアイルランド。最終戦となったフランス戦では、1トライを取れば6点差、ノートライでも7点差以上で勝てば優勝が決まる位置にいた。
絶対的司令塔として君臨し続けるSOジョナサン・セクストンは、昨年のワールドカップ後に引退した、HOローリー・ベストから代表チームの主将の座を受け継いだ。
2009年の代表デビュー以来、93キャップを重ねきた34歳のプレイメーカーだが、セクストンを中心に回り続けるチームは、セクストンが不調になるとチーム全体が不調になるという問題を抱えている。
シックスネーションズ最終戦でも、アイルランドは、実力的に言えばフランスを7点差で下すことは十分に可能と見られていた。が、この日のセクストンは、まさに乱調という出来だった。
昨年のワールドカップ後、ジョー・シュミット監督の引退とともにその座を引き継いだアンディ・ファレルは、イングランド代表主将、オーウェンの父でもある。
選手として輝かしいキャリアを終えた後、プレミアリーグのサラセンズでアシスタントコーチを務め、イングランド代表、アイルランド代表でそれぞれ4年ずつディフェンスコーチを務めた後に誕生した、ファレル監督。選手の起用、後半の交代などの采配の妙が見ものだ。
注目の新加入選手は、WTB/FBジェームズ・ロウ。マオリの血を引き、マオリ・オールブラックス4キャップも持つ。スーパーラグビーでは、チーフスで53試合に出場した“マオリの韋駄天”は、2017年からアイルランドの強豪クラブ、レンスターに所属する。居住年数の条件をクリアし、28歳で代表デビューとなったロウの走りに注目だ。
アイルランドは、ウェールズ、イングランド、ジョージアと同組。悔しさに燃え、勝利への願望にも燃える司令塔、セクストンの戦術とは? それは、試合を観たものにしか分からない。
【WOWOW番組情報】
ラグビー8カ国対抗戦 オータム・ネーションズカップ
11/13(金)~12/6(日) WOWOWで独占放送&配信!
【第1節】
グループA
11/13(金)深夜3:45 アイルランドvsウェールズ
11/14(土)夜11:55 イングランドvsジョージア
グループB
11/14(土)夜9:30 イタリアvsスコットランド
11/15(日)深夜0:00 フランスvsフィジー