イングランドが3強V争い制し3年ぶりに欧州王座奪還 アイルランドは最終節で首位転落
ローマの熱闘から約1時間半が経ち、注目はパリ郊外にあるスタッド・ドゥ・フランスに集まった。
暫定首位に立ったイングランドを勝点4ポイント差で追う立場になったアイルランドは、4トライ以上挙げて(ボーナスポイント付きで)勝利するか、7点差以上つけて勝てば、優勝できるという条件だった。
一方、勝点5ポイント差のフランスが逆転優勝するには、4トライ以上挙げ31点差以上つけて勝たなければならないという厳しい条件だった。
結果、35-27で、勝ったのはフランス。ボーナスポイントを獲得したフランスは総勝点18でイングランドに並んだものの、得失点差で遠く及ばず、栄冠に輝いたのはイングランドだった。
前半はフランスが17-13とリード。アイルランドは7点ビハインドから一時逆転したものの、29分、トライチャンスだったフランスの選手に対してアイルランドのFLカエラン・ドリスがノーボールタックルの反則を犯し、レフリーはペナルティトライを宣告した。ドリスにはイエローカードが出てアイルランドは14人となり、流れを悪くした。
リードしたフランスは後半早々、自陣からカウンターでキックも使いチャンスとなり、ボールを確保したSHアントワーヌ・デュポンからSOロマン・ンタマックとつなぎ、トライが生まれた。47分(後半7分)と51分にはPGで得点を重ね、28-13となった。
アイルランドは59分にCTBロビー・ヘンショウが個人技でトライを挙げ、点差を詰めたが、その後、敵陣深くに入りながらラインアウト失敗が続いて、傾きかけた流れを止めた。
逆にフランスは70分、敵陣10メートルライン付近のスクラムでアドバンテージを得ると、攻め続けてSOンタマックがディフェンス裏にチップキックを放って自らボールを確保し、CTBヴィリミ・ヴァカタワにつないで決定的なトライが生まれた。
アイルランドは試合終了間際に7点を奪い返したが、反撃が遅かった。
この日、スラネスリ(ウェールズ)のパーク・イ・スカーレッツでおこなわれたウェールズ対スコットランドの試合は、14-10でスコットランドが競り勝った。
スコットランドが敵地でウェールズを倒したのは18年ぶり。
ウェールズは、世界最多キャップホルダーとなったアラン=ウィン・ジョーンズ主将の記念試合を勝利で祝うことはできなかった。