国内
2020.10.29
【コラム】水色の結束
全力を尽くす。やり切る。言葉で言うほど、その実行は簡単ではない。大きな明治のFWに接点で激しくぶつかり、持てる戦術を出して戦った80分。今季一番といっていい好ゲームを締めくくったのが、筑波のキックチャージだった。試合後、嶋崎達也監督は「どんな点差でも、プライドを持って、泥臭くやろうと4年生が引っ張ってくれている」と選手たちの姿勢をたたえた。
筑波大の今季のスローガンは「HARD」。チーム結成後の今年1月、岡崎ら新4年生で3回のミーティングを開き、議論の末に決めたという。言いやすいか。全体に浸透するか。内外に伝わるか。同期28人が一つずつアイデアを出し合い、皆で考え抜いて、新チームにもっともふさわしいと思われるものを選んだ。そのスローガンを体現したのが、ラストプレーだった。岡崎は「全員でHARDする。それが、あのシーンにつながったと思います」と振り返った。
岡崎は長崎ラグビースクール時代から、小中高大と各カテゴリーで主将を務めてきた。そんなリーダーが大事にしているのが「下級生の意見」という。「僕は上に立つタイプのリーダーじゃない。むしろ同期の間ではよくいじられる方です。でも、みんなにフレンドリーに接して、チーム内を仲良くするのは得意だと思う。チームと仲間同士をつなぐ。そんな地味な役割を大事にしています」