海外 2020.10.18

かつて弱小と呼ばれたエクセターが初の欧州王者! 14人で僅差守りラシンとの激闘制す

[ 編集部 ]
かつて弱小と呼ばれたエクセターが初の欧州王者! 14人で僅差守りラシンとの激闘制す
創部から150年目で初めてヨーロッパ王者になったエクセター・チーフス(Photo: Getty Images)


 2019-2020シーズンのヨーロッパラグビークラブ王者を決めるハイネケン・チャンピオンズカップの決勝が、現地時間10月17日にブリストル(イングランド)のアシュトンゲートスタジアムでおこなわれ、エクセター・チーフス(イングランド)がラシン92(フランス)との激闘を31-27で制し、初優勝を遂げた。
 ラシンは2季ぶり3度目の決勝進出だったが、またしても栄冠には届かなかった。

 エクセター・チーフスは1871年創部。本拠地はイングランド南西部の、のどかな田舎だ。潤沢な資金力はなく、かつて弱小チーム扱いされていた同クラブがプレミアシップ(イングランド最高峰リーグ)に初昇格したのは2010年、ヨーロッパの強豪が集うチャンピオンズカップ(ハイネケンカップ時代を含む)初参戦は2012年で過去ベスト8が最高だったが、ロブ・バクスター監督のもと着実に力をつけ、ついにヨーロッパの頂点に立った。

エクセター・チーフスをヨーロッパの頂点に導いた名将ロブ・バクスター(Photo: Getty Images)

 エクセターは前半7分、ラインアウトからモールで押し込み先制した。その後も敵陣深くでプレッシャーをかけ続け、15分にはNO8サム・シモンズが仲間の後押しを受けてインゴールに突っ込んだ。

 14点を追うラシンは19分、SOフィン・ラッセルから飛ばしパスをもらったFBサイモン・ズィボがゴール右隅にトライを決め、5点を奪取。31分にも敵陣深くに入って連続攻撃し、WTBフアン・イモフが抜けてゴールに持ち込んだ。

 2点差に詰められたエクセターは39分、FWがゴール前でしつこくピック&ドライブを繰り返し、PRハリー・ウィリアムズがパワーで押し勝ってトライ。21-12で折り返した。

エクセターのディフェンスを突破しようとするラシンのヴィリミ・ヴァカタワ(Photo: Getty Images)

 早めに点差を詰めたいラシンは後半早々、敵陣22メートルライン内に入り連続攻撃、右への展開からFBズィボがフィニッシュし、4点差となった。

 しかし2分後、自陣でボールを回そうとしたラシンのSOラッセルが長いパスをエクセターのWTBジャック・ノーウェルにインターセプトされ、ノーウェルからパスをもらったCTBヘンリー・スレイドがトライを決め、再び流れは変わった。

ヘンリー・スレイドのトライをお膳立てしたジャック・ノーウェルは飛び乗って歓喜(Photo: Getty Images)

 だがラシンは49分(後半9分)、敵陣深くに入ってラインアウトからモールでゴールに迫り、持ち出したHOカミーユ・シャがパワーでトライゲッターとなった。その後、PGで加点し、1点差に詰めた。

 28-27、エクセターのリードでラスト10分間の戦いに突入する。

 すると70分、反則を犯したPRトーマス・フランシスがイエローカードを提示され、エクセターは残り時間を14人で戦うことになった。

 直後、数的有利となったラシンが敵陣深くで怒涛の攻撃。19フェイズを重ねゴールに迫った。が、エクセターは懸命に耐え、トライを許さなかった。

 ピンチを脱出したエクセターはその後、必死にボールをキープし、試合終了間際にPGチャンスを得るとSOジョー・シモンズが決め、まもなく歓喜となった。

激闘ファイナルを制し喜びを爆発させるオリー・ディヴォートらエクセターの選手たち(Photo: Getty Images)

 エクセターは一週間後、10月24日にプレミアシップの決勝を控えており、2冠獲得を目指す。

 なお、下部大会のヨーロピアン・チャレンジカップは現地時間16日に決勝がおこなわれ、ブリストル・ベアーズ(イングランド)がトゥーロン(フランス)を32-19で下し、こちらも初のヨーロッパタイトルに輝いている。

ヨーロピアン・チャレンジカップで優勝したブリストル・ベアーズ(Photo: Getty Images)

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