神戸製鋼→キヤノン。安井龍太、移籍先で意識する「正解」の伝え方とは。
国内トップリーグの各クラブは、2021年1月の開幕をにらみ各自、練習試合を本格化。沢木敬介新監督を迎えたキヤノンも10月17日、クボタと練習試合を実施した(●19-43/無観客)。過去8シーズン在籍した神戸製鋼から移籍の安井龍太も、本職のFLで先発する。
身長187センチ、体重105キロの30歳。時にWTBも任されるスピードを長所とし、7人制、15人制の日本代表への選出歴を持つ。
大阪の東海大仰星高を経て、東海大では主将を務めた。神戸製鋼では4年目に社員からプロに転向。次回のシーズンへも契約延長を打診されたが、新たな道に舵を切った。
「神戸製鋼も好きなチームではあったのですが…。30歳。ずーっとだらだらとやっていくよりは、もう一回、チャレンジしたい、もっと成長したい…と。神戸製鋼ではスタート(先発)で試合に出る試合が減っていた。トップリーグのチームで、一線で戦いたい」
キヤノンは変革を目指す。
過去に日本代表やサンウルブズのコーチングコーディネーター、サントリーの監督を歴任した沢木監督は、移籍4季目となる日本代表SOの田村優を主将に抜擢。夏場から早朝に練習を組み、試合形式のセッションを重ねる。目を光らせる。
新指揮官の動きに、安井は感銘を受ける。
「選手の顔をしっかりとよく見てくれています。厳しいことは厳しいですが、ずっと厳しいわけではなくて、和気あいあいとする時はフランクに接してくれる。メリハリのある練習ができていて、僕はやりやすいです。(練習が午前だけのため)成長できるうえ、しっかりとリカバリーもできる」
経験者の役目も担う。2018年度に優勝した神戸製鋼の一員とあって、同年16チーム中12位のキヤノンでは「(首脳陣に)おんぶにだっこではなく、少しは経験をアウトプットできたら」。自分なりのスタンスで、若手を引き上げる。
「コミュニケーションを取ります。『こうした方がいいんじゃないですか?』と。それで、僕が間違っているのか、皆が間違っているのかの確認は取らないといけない。こっち(キヤノン)にもいい選手はいっぱいいる。ただ、勝つ経験が薄いだけ。僕も少しでもプラスになれば」
世界の常識が変わったいま、新たな地平を切り開く。
「チームとしてはトップ4に入る。僕は試合に出ることにこだわりたい」