世界王者・南アはコロナの影響で南半球4強大会不参加決定… 3か国対抗で開催へ
昨年のラグビーワールドカップで優勝した世界ランキング1位の南アフリカ代表は、今年のザ・ラグビーチャンピオンシップ(南半球4か国対抗戦)には参加しないことになった。10月16日、大会を主催するSANZAARが公式に発表した。
南ア代表“スプリングボックス”は参加するのかしないのか、最終決定のデッドラインは2日延長されたが、新型コロナウイルスの影響は大きく、残念な結論に至った。
世界的に大流行した新型コロナウイルスの問題は、南アフリカでは収束には遠く、政府による渡航制限、選手の健康と安全性の懸念、コロナ感染が再拡大したヨーロッパのクラブに所属している選手の招集も難しい状況にあり、スプリングボックスは10月31日に開幕するラグビーチャンピオンシップへの参加を断念することになった。
南アフリカではこれまで約70万人が新型コロナウイルスに感染し、1万8000を超える人が死亡している。世界でも最も厳しい部類のロックダウン(都市封鎖)をおこなってきた政府は9月中旬から規制を緩和し、国際スポーツ大会への参加も解禁したが、スプリングボックスは十分な準備ができていなかった。
南アの選手たちがフルコンタクトのトレーニングを許可されたのは9月に入ってからで、国内で公式戦の「スーパーラグビー アンロックト」が始まったのは10月9日である。ラグビーチャンピオンシップの前王者でもあるスプリングボックスが、南半球のライバルたち、特に6月、7月から国内大会で試合を重ねてきたニュージーランドやオーストラリアの選手たちとハイレベルの勝負をするには、あまりに厳しい状況だった。
SANZAARのアンディ・マリノスCEOは、「今シーズンがパンデミック(コロナの世界的大流行)のためにどれほど困難であったかを理解している。スプリングボックスが参加できないことは非常に残念だが、トライネーションズ(3か国対抗)という形で2020年を締めくくる機会を提供したい。理想的な準備にはほど遠いものの、刺激的で活気のある大会を楽しみにしている」とコメントした。
今年のラグビーチャンピオンシップはオーストラリアで集中開催することになっており、ブレディスローカップでいち早くインターナショナルシーズンに入ったオーストラリア代表とニュージーランド代表、そして、ほとんどの選手がすでにオーストラリア入りしているアルゼンチン代表の3チームで、6週間にわたっておこなわれる。
ザ・ラグビーチャンピオンシップ2020の日程は以下のとおり。
■ROUND 1: 10月31日(土) ANZスタジアム〔シドニー〕
・オーストラリア vs ニュージーランド
■ROUND 2: 11月7日(土) サンコープ スタジアム〔ブリスベン〕
・オーストラリア vs ニュージーランド
■ROUND 3: 11月14日(土) バンクウエスト スタジアム〔シドニー〕
・ニュージーランド vs アルゼンチン
■ROUND 4: 11月21日(土) マクドナルド・ジョーンズ スタジアム〔ニューカッスル〕
・アルゼンチン vs オーストラリア
■ROUND 5: 11月28日(土) マクドナルド・ジョーンズ スタジアム〔ニューカッスル〕
・アルゼンチン vs ニュージーランド
■ROUND 6: 12月5日(土) バンクウエスト スタジアム〔シドニー〕
・オーストラリア vs アルゼンチン