アイルランドの人気選手カーニーが豪州へ 15年在籍のレンスター去りフォースに移籍
ラグビーワールドカップ2019日本大会にも出場しアイルランド代表として95キャップを重ね、レンスターでも数々のタイトルを獲得してきた世界的スターのロブ・カーニーが、ヨーロッパを離れ、オーストラリアのウェスタン・フォースに移籍することが9月末に発表された。34歳のカーニーはフォースと1年契約を結び、南半球での新たなチャレンジを楽しみにしている。
2005年にプロデビュー以来、15年間レンスター一筋だったカーニー。これまで同クラブで219試合に出場し、プロ14(ケルティックリーグ、プロ12時代を含む)で6回の優勝に貢献、欧州クラブ王者には4度輝き、チャレンジカップのタイトルを手にしたこともある。2012年には欧州最優秀選手に選ばれた。
ポジションはフルバックで、アイルランド代表としては2007年に初キャップを獲得して以来、13年間活躍。シックスネーションズ(欧州6か国対抗戦)では4度の優勝に貢献し、2009年と2018年にはグランドスラムを達成。ワールドカップには、昨年の日本大会を含め3大会に出場した。4年に一度結成されるブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズでの3キャップも合わせると、テストマッチ98試合出場のレジェンドである。
9月下旬にレンスター退団を発表した際、レンスターとアイルランドのファンに感動的な手紙を書き、チームメイト、コーチにも心からのメッセージで感謝の意を表したカーニー。
フォース入団については、「今年のキャンペーンを改善しようとしているこの野心的なクラブで来季プレーできることに興奮している」とコメントした。
オーストラリア西部のパースを拠点とするフォースは、成績不振や財政的な問題等が原因で2017年に国際リーグのスーパーラグビーから除外され、新型コロナウイルスの世界的大流行により国境を越える移動が難しくなった今年、代替大会として設けられたスーパーラグビーAU(国内大会)で3年ぶりにスーパークラブと戦うも、8戦全敗で終了していた。
そんなチームに加わる決断をしたカーニーは、「クラブの大きな望みに貢献できるよう、フィールドの内外で価値を付加したいと思っている。新しいパフォーマンス環境に没頭し、南半球で最高の選手やチームと対戦することを楽しみにしている」と意欲的だ。
現時点で、来季のスーパーラグビーがどのような形式でおこなわれるのか未定だが、2021年もスーパーラグビーAUとして国内大会が開催される場合、フォースも再び参戦するとみられている。
フォースは、鉄鉱石業などで巨万の富を築いたオーナーのアンドリュー・フォレストが補強に積極的で、カーニーのほか、オーストラリア代表として61キャップを持つセンターのテヴィタ・クリンドラニ(前 ブランビーズ)も獲得している。そして、今後数週間でさらに数人の新加入選手を発表すると約束している。