ワールドカップ 2020.09.28

エコパに福岡逆転トライの像、誕生。シズオカ・ショックをレガシーに。

~ラグビーW杯1周年記念イベント~

[ 編集部 ]
エコパに福岡逆転トライの像、誕生。シズオカ・ショックをレガシーに。
引き綱役を務めた6人。左端がモニュメントを制作した彫刻家の堤直美氏(撮影:BBM)

 昨年のラグビーW杯で日本代表がアイルランド(当時世界ランク2位)を破る快進撃”シズオカ・ショック”を成し遂げた静岡・エコパスタジアムで27日、ラグビーW杯開催1周年の記念イベントが開催された。第一弾となったセレモニーでは、アイルランド戦で福岡堅樹(パナソニック)が挙げた逆転の決勝トライシーンをモチーフにしたモニュメントがお披露目された。

 セレモニーには福岡をはじめ、清宮克幸氏(アザレア・スポーツクラブ代表理事)や嶋津昭氏(ラグビーW杯組織委員会事務総長)、川勝平太静岡県知事ら36名が出席。

 モニュメントを見た福岡は「光栄なことです。それだけのことをチームとして成し遂げることができたと実感しました。これを見てあの時の感動を思い出してくれたら嬉しいし、ラグビーの普及に少しでも力になれれば」と話した。

 福岡はW杯開幕直前の9月6日、南アフリカ戦で負傷していた。初戦に続き、アイルランド戦もメンバーに入っていなかったが、試合前日に出場の可能性が浮上。試合当日の朝にリザーブ入りが決まった福岡は後半9分に途中出場し、18分に逆転トライを奪った。

「チームが最高のサポートをしてくれたおかげで取れたトライ。自分はほんとに置くだけでした」と福岡。「18年間ラグビーをやってきた中でも最高のトライの一つです」と振り返った。

 モニュメントは、昨年12月のコンペで選ばれたデザイン会社から依頼を受けた彫刻家の堤直美氏が制作。

「昨年のW杯で目に焼き付いているのは福岡選手の逆転トライ。このポーズしかないと思いました」

 幅1㍍30㌢、奥行き80㌢の台座は花崗岩、御影石で造られ、重さは約5㌧。その上に、約1㌧のブロンズ製の像が乗る。太いステンレスの棒を2本入れるなど、台座と像が一体化している構造だという。堤氏は「トライシーンは前傾姿勢なので、ぶら下がられて倒れてしまうのではと心配されまして。何人乗っても倒れませんのでご安心ください。1000年は立ち続けます」と会場の笑いを誘った。台座と合わせて高さ2㍍66㌢のモニュメントはエコパスタジアムのエントランス広場に設置されている。

 静岡県スポーツ政策課によると制作費を含む設置費は2000万円。費用は昨年12月から8月まで募った寄付金約600万円を活用し、残りを県が負担した。

 川勝知事は「これを契機に静岡県をラグビーの聖地にしていきたい。ラグビーW杯がきっかけとなり、特にアイルランドとはさまざまな分野で絆を深めることができた。これを次の世代にも繋げていきたい」と意気込んだ。


セレモニーでは、ふじのくにスポーツサポーター委嘱式もおこなわれ、アザレア・セブン、ヤマハ発動機ジュビロの代表としてそれぞれ清宮氏と堀川隆延氏(GM兼監督)が登壇した (撮影:BBM)

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