海外 2020.08.28

横浜の大舞台にいなかった元南ア代表主将ホワイトリー、復活目指しもう一度ナイフを…。

[ 編集部 ]
横浜の大舞台にいなかった元南ア代表主将ホワイトリー、復活目指しもう一度ナイフを…。
2017年に南ア代表の主将に任命されたホワイトリー(中央)。同年6月のフランス戦前(Photo: Getty Images)


 何度もけがに苦しみ、しばらく走ることさえできず、引退を噂されていた第58代南アフリカ代表主将のワーレン・ホワイトリーが、復活へのわずかな望みにかけ、年内にもう一度、膝の手術を検討していることが明らかになった。地元メディアの『IOL』が報じた。

 スーパーラグビーではライオンズの闘将として決勝に3度導き、南アフリカ代表“スプリングボックス”では23キャップを重ね、背番号8に最もふさわしいと言われていた男。
 しかし、南ア代表主将として臨んだ2017年6月のテストシリーズで股の付け根部分を痛め半年間プレーできず、カムバックしたが、2018年はスーパーラグビー期間中に負傷。ワールドカップイヤーの2019年には大胸筋を損傷し、膝にも重傷を負い、大舞台には立てなかった。今年はフィールド復帰をあきらめ、ライオンズのラインアウトコーチを務めていた。

 昨年のワールドカップ日本大会で南ア代表は12年ぶりの優勝を遂げたが、もしかしたら、決勝でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれたグリーン&ゴールドジャージーの8番はドウェイン・フェルミューレンではなく、横浜で誇らしげにエリスカップを掲げたのはシヤ・コリシではなかったかもしれない。ホワイトリーも、それらに値する優秀なスプリングボックだった。

 南アメディアのIOLによれば、今年9月で33歳になるホワイトリーは、もう一度ナイフを入れて、運命が変わることを期待しているという。これまで、拠点とするジョハネスバーグで何度も医師の診断を受け、ダーバンに名医がいると聞けば会いに行き、最近ではケープタウンの外科医と連絡を取り合っているとのこと。

 2019年のはじめから左膝の軟骨の問題に苦しんでいたホワイトリーは、リハビリと安静がけがの治癒に役立つことを期待し手術を避けていたが、さまざまな意見を得るためにできるだけ多くの医師と話をした結果、膝をきちんと治しもう一度プレーするつもりなら、別の手術が必要という結論に至った。

 ホワイトリーはIOLの取材でこんなことを言っている。

「(新型コロナウイルス収束後に)ラグビーが再開したときに松葉杖を使っていたくありません。それが、私がオフシーズンの年末に手術をおこなうことを検討している理由です」

 いまはコーチとしての仕事に集中している。自分の将来について決断するのはそのあとだ。

「プレーすることについて何かを決断する前に、まず裏庭で子どもたちと一緒に走り回りたいですね。痛みを感じないで。全力疾走をしたいです」

 かつて闘将と呼ばれた男は、復活をあきらめていない。

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