豪代表主将フーパーが2021トップリーグ参戦か トヨタ加入と現地メディア報道
オーストラリア代表の主将を務め、世界トップクラスのオープンサイドフランカーと呼ばれるマイケル・フーパーが、来年1月に開幕予定のジャパンラグビートップリーグに参戦するかもしれない。
フーパーが在籍するワラターズ(ニューサウスウェールズラグビー協会)とオーストラリアラグビー協会は8月26日、「マイケル・フーパーが2021年の最初の6か月間、海外でプレーする機会を得ることを確認した」と発表し、移籍先についてはふれなかったが、『シドニー・モーニング・ヘラルド』など地元の複数のメディアは、トヨタ自動車ヴェルブリッツに加入すると報じている。
トヨタ自動車のサイモン・クロン ヘッドコーチはワラターズの元アシスタントコーチであり、フーパーをよく知っている。日本代表の姫野和樹、世界最優秀選手に選ばれたこともある前ニュージーランド代表主将のキアラン・リードなどがいるトヨタ自動車にフーパーが加われば、トップリーグ屈指の豪華なバックローとなる。
現在28歳のフーパーは海外挑戦について、「これは、新しいラグビー環境で学び、ゲームについて別の視点を養う絶好の機会です」とコメントしている。2021年のスーパーラグビーにはほとんど参加しないが、日本で約半年間プレーしたあとはワラターズに復帰する予定。
オーストラリアラグビー協会がフーパーのリリースを認めた背景には、新型コロナウイルスの影響で同協会が財政危機に直面し、国内プロ選手の給与を一定期間削減しなければならなかった事情がある。フーパーは2018年に同協会と5年間で総額600万ドル(約4億6000万円)の契約を結んでおり、給与を大幅にカットされる筆頭だった。その代わり、オーストラリアでトップクラスの高額年俸選手など最大6人の選手には、2021年から2023年の間に海外で6か月間プレーできるサバティカルを交渉するオプションが与えられ、海外のクラブと短期契約を結ぶことが可能となっていた。
フーパーのほかにも、昨年のワールドカップに出場したCTB/SOマット・トゥームアや、WTB/FBデイン・ハイレットペティなどが来年日本でプレーするのではないかと報じられている。
2012年に20歳でオーストラリア代表デビューを果たしたフーパーは、ワールドカップ2大会を含めこれまでテストマッチ99試合に出場。昨年のワールドカップ日本大会ではキャプテンを務めた。
身長182センチ、体重101キロと国際レベルでは小柄だが、驚異の運動量を誇り、密集での強靭なからみ、力強いボールキャリー、疲れ知らずのタックル連発で、世界トップクラスのオープンサイドフランカーと呼ばれるようになった。ハードプレーヤーでありながら大きなけがが少ないタフな選手であることも超一流と評価される理由だ。オーストラリアの年間最優秀選手に贈られるジョン・イールズ メダルは2度受賞。ワラターズでは、2014年に中心選手のひとりとしてスーパーラグビー初優勝に貢献している。
そして、フィールドの中でも外でも優れたリーダーである。