齋藤直人「日本代表になりたい気持ちはすごく強い」 スーパーラグビーでの悔しさも成長の糧に
次の世代の日本代表9番の有力候補と期待されている齋藤直人は、2020年に国際リーグのスーパーラグビーを経験した。早稲田大学の主将として全国大学選手権大会優勝を遂げてからわずか3週間後、サンウルブズの背番号21番をつけてデビューを果たした。今春からサントリーサンゴリアスに加入したが、国内最高峰のトップリーグでプレーする前にスーパーラグビーの舞台に立ったのだ。残念ながら、新型コロナウイルスの世界的大流行によりスーパーラグビーは3月中旬で中断となってしまったが、齋藤はサンウルブズの全6試合に出場(2試合先発)し、悔しさも味わいながら成長した。
「スーパーラグビーは予想通りレベルが高かったです。外国人選手を相手に、実戦で経験できたのは大きいと思います。試合だけでなく、ツアーを通しても学ぶことが多かったです」
8月8日、5年間の活動を終えるサンウルブズのメモリアルセレモニーに出席した22歳の齋藤は、印象に残っている試合として、デビュー戦となり勝利に貢献した2月1日のレベルズ戦(福岡・レベルファイブスタジアム)のほかに、先発出場した2月15日のチーフス戦(東京・秩父宮ラグビー場)を挙げた。チーフス戦では、ニュージーランド代表として昨年のワールドカップにも出場した同じスクラムハーフのブラッド・ウェバーにレベルの違いを見せつけられ、悔しかったからだ。
身長165センチ、体重73キロの齋藤に対し、ウェバーは172センチ、75キロと体格はあまり差がない。
「ブラッド・ウェバーにふいに当たられて、飛ばされました。体格差があまりない選手にもああいうふうに飛ばされるということは、自分の未熟さを感じました。しかし逆に、あんな大きさでもフィジカルを身につけられるんだなとも思いました。(ウェバーの)すごさを感じた半面、逆にやれるという感覚もつかんだ。体格差がある選手と同じフィジカルに持っていくことは不可能だと思いますが、それをどう補っていくかというのは、今後、現役でいる以上、考え続けていきたいと思っています。スピードなどをどう活かして戦うのかを、考えていかなければならない」
今後はもっとフィットネスを高め、キックとパスの精度も伸ばして、強みにしたいと言う。すばやく正しい状況判断ができるように、体力もつけ、一つひとつのスキルを高めていくことが必要だと自覚する。
「日本代表になりたい気持ちはすごく強い」
齋藤ははっきりそう言った。
「自分が成長できる環境に身を置きたいという気持ちは強くありますし、もう一度スーパーラグビーにチャレンジしたいという気持ちは強くあります。でもまずは、置かれた立場でしっかり結果を残すことにいまはフォーカスしています。まずはサントリーで試合に出ること。チームメイトには流さん(流大)という日本代表の9番がいるので、そういう選手と勝負して、結果を残したうえでそのあとのことは考えていきたいです」
齋藤はサンウルブズで経験したことを活かし、次は国内トップリーグでさらなる成長を誓う。