コラム
2020.08.07
【コラム】部活動の頂点と、原点。
休校、部活停止、もどかしい再開プロトコル。
頂点を目指すチームだ。さぞ歯痒い思いをし、もしかしたら焦りに駆られているのではと思ってきいたら、充実の面持ち出そう返された。ラグビーができないどころか、仲間に会うことすらできない日々を経験した。毎日、みんなで、ラグビーをできる時点でもう幸せだ。目標があったらもっと素晴らしい。全国の高校生みんなが目指せる大会があったら、なんて素晴らしいだろう。
「僕らが花園やる! なんて言っても、実はあの大会は人のもの、授かりもので、自分たちではできないんだと。優勝もして、1月7日に試合をする素晴らしい経験も重ねて。そのうちに、私たちは、ちょっと勘違いをしていなかったか」
まだ若き指揮官は、高校スポーツの理想も現実も全部飲み込んだ上で、思考をきっと何百周も巡らせた上で、澄み切ったお顔でそう言った。
「毎年、ベスト4に上がってくるようなチームは、同じようなことを考えていると思います。考えるというよりも、そういう心境と思います」(湯浅監督)
まるで体内のDNAを手繰るような、先達がたどってきた道を追体験するような気持ちで、トップ校が初夏を迎えている。