ラグビー金言【21】歴史を変える。ほとんどは何も起こらないが、そう思っていないと絶対に変わらない。
グレアム・ヘンリー。2011年のワールドカップで、オールブラックスを24年ぶりの頂点に導いた名将だ。
2007年大会では準々決勝でフランスに敗退。そんな屈辱から這い上がって栄冠を手にした。
1946年6月8日生まれ。オークランド代表(NZ国内州対抗選手権)、ブルーズ(スーパーラグビー)を率いて好成績を残し、ウエールズ代表の監督に就く。
当時低迷していた同代表を、1999年ワールドカップで、トップ8に導いた。ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズの監督も務めた。
2004年から2011年までオールブラックスの指揮官に就いた。
2007年のワールドカップではオールブラックスとしての大会史上最低の成績に終わるも、逆風の中で続投する。
2011年大会に向けチーム、選手個々のメンタルスキルを高め、自国大会で優勝して見せた。
ラグビーマガジンでは、2015年の夏に来日した同氏をインタビューする機会を得た。
同年秋のワールドカップについて、いろいろ訊いた。
【グレアム・ヘンリーの金言】
日本代表のヘッドコーチ、エディー・ジョーンズは「南アフリカに勝つ」と言っています。ヘンリー氏にそう伝えると、言った。
「当たり前でしょう。挑戦しなければいけない。いいメンタリティーです。むしろ、(ワールドカップという舞台で)勝ちにいかないチームがあるのでしょうか。1999年でした。(私が指揮を執っていた)ウエールズがテストマッチで南アフリカを破った。史上初めてのことでした。しっかり準備していることが前提ですが、そういうことは突然起こる。これまで勝ったことがないとか、なにひとつ関係ない。80年続いていた歴史とも無縁です」
「自分たちが歴史を作る。そういう強い気持ちで試合に臨む。それでも何も起こらないことがほとんどですが、その気持ちがないと絶対に(歴史は)変わらない。ウエールズは昨年、ふたたび南アフリカに勝ちました。長い歴史の中で2回目です。アイルランドはまだオールブラックスに勝ったことがありません(当時は1905年の初対戦以来28戦全敗だった)。しかし一昨年の11月、最後の最後まで追い詰めた試合があったでしょう(残り30秒まで22-17で勝っていた)。歴史が作られる可能性はいつだってあるし、実際、作りかけられたことは何度もある。そのチャンスをものにできるか、です」