一般入試→トップリーガー。NEC吉廣広征が高校生へ「絞る」勉強法勧める。
話をしたのは今年6月。短い準備期間をフル活用して難関校に受かった吉廣とあって、「皆もいまからなら半年以上ある。僕でできたんで」と一般入試へのチャレンジを後押しする。
強調するのは、「絞る」の勧めだ。
受験生時代の自身も志望校を筑波大と早大に定め、過去問などをもとに出題傾向を徹底分析した。「絞らないと、いろんな大学には受からないと思ったので」。当日の試験問題を難なく解くことから逆算して日々の計画を立てるさまは、限られた準備期間で打倒強豪を目指すラグビーのチームと重なるような。
とにかく吉廣は、ただ受験を勧めるだけでなく受験を制する具体策も口にしたのだ。
「もともと勉強ができる人はどうやっても大丈夫ですけど、勉強に自信がなかったりラグビーに時間をかけたかったりする選手は、行きたい大学の受験要綱を見て、どんな勉強をしたらいいかを考える(ことが大事)。そこ(いくつかの志望校、学部)だけに絞ればまだまだチャンスある」
一般入試の可能性と一般入試を切り抜ける策を語った吉廣は、グラウンド内では最後尾のFBを主戦場とする。身長180センチ、体重89キロのサイズにして、的確な位置取りと判断力が光る。
開幕6連敗したまま不成立に終わったトップリーグ2020を「長くやっているなかで上位に入る練習量。皆でミーティングする時間もあった。『あれやればよかった』というより『あんなにやったのに、なぜこんなにうまくいかないんだろう』という感じ」と総括。21年1月からの新シーズンを見据える。
「ただ一生懸命やっていたら勝てないのがよくわかった。何が足りないのか、どう攻めるのかを(選手自身が)考えるきっかけになったのはよかった。次のシーズンで結果が出れば、『勉強になった』となるけど、活かせないと、ただ負けて弱いチームになる。次が大事」
グラウンド外ではクラブのマネジメント業務にも携わり、新たなファンの開拓を目指す。普段使いやすいグッズを企画したり、SNSで選手の情報を発信したり。一般入試で入った筑波大時代からスポーツマネジメントに興味があり、現在は22年1月発足予定の新リーグ参加に向け認知度アップを目指す。
高校3年の夏から17年の月日が経ったいまも、目の前の難題に立ち向かっている。