セブンズ日本代表の小澤大主将、延期した東京オリンピックへ「レベルアップしないと」。
男子セブンズ(7人制)日本代表が、当初の予定より1年の延期が決まった東京オリンピックに向け再始動した。
「段階的ではあるんですけど、練習が再開して…。嬉しさは感じました」
小澤大主将がこう語ったのは6月29日。代表候補にあたるセブンズ・デベロップメント・スコッド(SDS)が5か所に分かれ、集団練習を始めた日である。SDSの面々は7月18日までの間、北海道、東京、名古屋、大阪、福岡の5か所で週に1回程度のトレーニングをおこなう見込みだ。
「きょうは9時半頃から柔軟性のテスト。その後はジムでウェイトをして、バイクを使ったトレーニングを。それからグラウンドに出て、フィットネス、5か所くらいに分かれてのスキル(練習)をやっていました。きょう動いてみた感触としては、もっとフィットネスの部分でレベルアップしないといけない。一気に上げるとおかしくなると思うので、徐々に上げていって、次に全員が集合した時にはもっといい状態でやれるようにしたいです」
チームの先頭に立つ小澤は身長183センチ、体重89キロの31歳。目指してきた大舞台の延期が決まった瞬間こそ「正直、今年やりたかった」と気がめいったが、「家族と会ったり話したりで気持ちの切り替えはスムーズに」。振り返れば昨年7月に首を手術したばかりで、復帰して臨んだ今年1月のワールドセブンズシリーズ・ニュージーランド大会では満足に戦えなかった。
だからこそ、本番までの時間が伸びたことを前向きに捉える。
「延期したことで、本番までにさらに成長していいパフォーマンスを見せられると思った。もう1回、レベルアップできる」
ここ最近は、妻の実家がある茨城で自宅や公園を使って身体を鍛えてきた。他のSDSのメンバーとは、週に1度オンラインミーティングを実施。それ以外にも1日、有志が画面上で顔を合わせる機会を作った。仲間の元気そうな顔を見れば、モチベーションを保てる。適宜、感染症の専門家からレクチャーも受けた。
かねてSDSで切磋琢磨してきた橋野皓介、桑水流裕策、15人制日本代表でも活躍した福岡堅樹は、今度の東京オリンピック延期決定を機に代表から退く。小澤は「(特に連絡を交換した橋野と)一緒にオリンピックの舞台に立ちたかったと思いました。でも、本人が決めたこと。自分たちが結果を出すことで恩返しができるのかな」と、決意を新たにする。
「オリンピックのメダルを取るにはいい準備ができる部分もあるんですけど、世界のレベルも上がってはいる。その差をどう埋めるかが課題。メダルを取るにはやるしかない。その差を埋め、本番では結果を出したいです」
現在は、愛知県で活動する所属先のトヨタ自動車から日本協会へ出向中。7人制の専任選手契約を結ぶ。今後について聞かれれば、「(いまの状態を)1年延長する方向で話をしてもらっている」。2021年夏までは関東地区を拠点とし、メダルまでの一本道を走りたい。