コラム
2020.05.17
【コラム】遅すぎるなんて無いさ。
「身長はあるけど(190㌢)、はじめからハイボールに長けていたわけでもない。全体練習でイメージを持ってやって、自分でも練習して、強みにしていった。3年になったら、誰よりも安定して取れるようになった。上のボールは安達の武器だし、うちにとっても計算のできるものになった。最後の試合で、それが出ました」
現代の日本ラグビーのトップ選手は、その多くが、少年時代からのラグビー経験を持つようになった。しかし、例えばトップリーグにも、大学や高校の有力校にも「高校スタート」で自分の道をひらき、仲間に認められる好選手はたくさんいる。
ラグビーを始めるのに、遅いということはない。やってみたいな、と思った時がタイミングだ。
興味のある人がいたら、10歳でも50歳でも、近くのチームの門を叩いてみてほしい。今こそまだグラウンドには出られないけれど、楕円球の世界は、仲間は、あなたが来るのを心待ちにしている。ここでは、高校ラグビーで「初心者」から勝負するチームや選手たちを紹介したい。
2019年度の1回戦の好カードの中にとりわけ見逃せない一戦があった。
郡山北工(福島)対、若狭東(福井)は、36-21で若狭東が2回戦へ。両軍とも、ほとんどが中学時代にラグビー経験のない選手たちばかりのチームだった。
敗れた郡山北工の小野泰宏監督(数学)の試合後の弁には、落胆の中にも、次のフェーズへ期するものが見えた。