海外 2020.04.24

豪州ラグビー協会初の女性CEO、圧力高まり辞任。

[ 編集部 ]
豪州ラグビー協会初の女性CEO、圧力高まり辞任。
ラエリーン・カッスル。写真は今年3月中旬、新型コロナウイルスに関する対応の会見で(Photo: Getty Images)


 オーストラリアラグビー協会のラエリーン・カッスルCEO(最高経営責任者)が4月23日、辞任を発表した。2年半前に、オーストラリアのメジャーなフットボール界でトップに立つ初めての女性となったカッスル氏は、これまでさまざまな問題に対処してきたが、今年、新型コロナウイルス感染拡大の影響で同協会の財政難は深刻さを増し、彼女のかじ取りについても批判の声が上がり、今週、10人の元オーストラリア代表主将たちがリーダーシップの変更を要求する書簡に署名したことが明らかになるなど、圧力が高まっていた。

 カッスル氏がオーストラリアラグビー協会のCEOに就任したのは、同国西部のパースを拠点とするウェスタン・フォースがスーパーラグビーから除外されることが決まり、一部で不満がくすぶっていた2017年の12月だった。
 2019年には、トップスター選手だったイズラエル・フォラウの同性愛者中傷が大きな社会問題となって泥沼の解雇紛争に巻き込まれ、高額の和解金を支払うこととなり、オーストラリア代表はワールドカップで準々決勝敗退に終わるなど不振で、明るい話題はなかった。さらに、新しいテレビ放送契約の合意失敗に対する批判にも直面し、ほとんど休めなかったカッスルCEOにとって、新型コロナウイルスはとどめとなった。

 新型コロナウイルスの影響で、今年の残りのシーズンの試合が全部おこなわれない場合、オーストラリアラグビー協会は1億2000万ドル(約82億円)の収益損失を予測。カッスルCEOは自身の今後6か月間の給与を65%削減することを発表し、国内プロ選手の給与についても9月末まで平均60%削減することで選手協会と合意に達したばかりだったが、彼女に対する圧力は収まらず、暫定チェアマンのポール・マクリーン氏に辞任することを伝えたという。

 カッスル氏はかつて、ニュージーランドネットボール協会CEOなども務めていた。

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