新型コロナで82億円損失予測の豪ラグビー協会、半年間選手の給与60%削減。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により試合をおこなうことができず、財政危機に直面しているオーストラリアラグビー協会は4月20日、国内プロ選手の今後6か月間の給与について、平均60%削減することで選手協会と合意したと発表した。
オーストラリアの192人のプロラグビー選手は、4月分の給与は全額支払われるものの、9月30日までの5か月間で平均60%カットされることになり、最低賃金は2週間で1500豪ドル(約10万円)に設定された。
『7 News』によると、2018年8月に同協会と5年間で総額600万ドル(約4億1000万円)の契約を結んだオーストラリア代表主将のマイケル・フーパーは、今後6か月で給与の約3分の2を失う可能性があり、実質的には40万ドル(約2700万円)カットされることになるという。
現在中断しているスーパーラグビーなどが9月30日までに再開した場合は、改めて交渉がおこなわれる予定。
なお、オーストラリアでトップクラスの高額年俸選手など最大6人の選手に、2021年から2023年の間に海外で6か月間プレーできるサバティカルを交渉するオプションが与えられることも確認され、対象となったビッグネームが海外のクラブと短期契約を結ぶことが可能となる(オーストラグビー協会は、特例を除いて原則的に国内を拠点とする選手から代表選手を選んでいる)。彼らがそのオプションを行使した場合、その期間中はオーストラリアラグビー協会や所属するスーパーラグビーチームからは給料は支払われない。
今年の残りシーズンにラグビーチャンピオンシップ(南半球4か国対抗戦)やテストマッチ(国代表戦)を含めてすべての試合がおこなわれなかった場合、オーストラリアラグビー協会は1億2000万ドル(約82億円)の収益損失を予測しており、スタッフの75%を無給休暇にし、ラエリーン・カッスルCEOは自身の今後6か月間の給与を65%削減することを10日前に発表していた。
ちなみに、隣国のニュージーランドラグビー協会は先週、プロの試合が今年はもうおこなわれないという最悪のシナリオに備え、今年の残りシーズンで選手に支払われると予想される額の50%、約2500万NZドル(約16億円)を凍結することで選手協会と合意している。