【ラグリパWest】三男坊、人生の大勝負。竹田宜純 [近鉄/FB]
トヨタ自動車から退部のリリースが出たのは昨年11月。在籍は2014年度から6年間だった。すぐにサンウルブズから召集がかかる。6試合中2試合に出場した。
3月6日、ブランビーズ戦(14−47)は先発フル出場。次週の14日、クルセーダーズ戦(14−49)には後半30分、SOガース・エイプリルと交代出場する。
ともにオーストラリアでの試合だった。
「すごくよかったですね。英語が飛び交う中で、コンタクトの強さなどを経験でき、タフという言葉を実感できました」
この試合を最後に新型コロナウイルスの感染拡大でリーグそのものが中止になる。
そして、近鉄に合流した。
近鉄をGMとしてけん引する飯泉景弘は、ヨシの獲得理由を語る。
「ウチには今、本職のFBがいません。セミシを充ててはいるのですが、彼は本来、WTBで使いたい。ブラインドサイドからのアタックなど攻めが多彩になるからです」
日本代表入りが噂されるセミシ・マシレワと同じ扱い。トップチャレンジからトップリーグ復帰を目指すチームの期待度は高い。
すでに、ホームである花園ラグビー場の近くに家族と引っ越した。近鉄沿線である。
「昔は橿原神宮の近くに住んでいて、乗るのは常に近鉄でした。親しみがあります」
白橿中まではサッカー部。キック力が養われる。御所実では2009年度の高校日本代表に選ばれた。同期には松島幸太朗らがいる。
帝京大では1年から公式戦に出場。大学選手権9連覇の内、2〜5(47〜50回大会)の優勝に貢献した。
父はさらっと話す。
「1年生からフルに出て、4連覇をしているのはヨシしかおらんはずです。大八木さんでも3連覇のはずですから」
LOとして日本代表キャップ30を持つ大八木淳史は同志社大時代、その中心となって19〜21回大会で3連覇を果たした。
記録的にヨシはその上を行く。
旧国名・河内での生活は気に入っている。
「家族みんな銭湯が好きなんですが、徒歩圏内に2軒はあります」
総合的なスーパー銭湯ではなく、昔ながらの番台のある風呂屋がお気に入りだ。
快適な生活の中で未来を語る。
「僕を迎え入れてくれたチームに貢献したい。国内のトップ4に入れるよう力を尽くします」
人生29年目の大勝負。家族のためにも、ヨシは覚悟を持って日々を過ごす。