国内 2020.03.22

ジュニア・ジャパンでも活躍。早大の河瀬諒介、進化の2019年。

[ 向 風見也 ]
ジュニア・ジャパンでも活躍。早大の河瀬諒介、進化の2019年。
2019年度大学選手権優勝を遂げた早稲田大学の河瀬諒介(撮影:松本かおり)


 2019年度の大学選手権で11季ぶり16回目の日本一に輝いた早大にあって、急成長をアピールできた1人は河瀬諒介だろう。

 明大OBで元日本代表の河瀬泰治氏を父に持つことでも知られる2年生は、大阪・東海大仰星高3年時に高校日本一に輝き2018年に早大入り。1年時から最後尾のFBでレギュラーとなり、恵まれたサイズとスピードを活かして豪快なカウンターアタックを披露してきた。

 公式記録では身長184センチ、体重89キロ。自己申告によれば、体重は1年時より約10キロ増とのことだ。この肉体改造が、突破力を増幅させたと本人は言う。

「去年からフィジカルを強化してきて、それが試合に表われてきたのかなと。僕も今季は試合で強いプレーをするよう意識してきたのもある。いままでなら抱え上げられたり、押し返されたりしていたところも、ちょっとずつ前に出られるようにはなりました」

 大学シーズン終了後の3月には、ジュニア・ジャパンの一員としてフィジーのスバで開催されたパシフィック・チャレンジに参戦。先発したフィジー・ウォリアーズとの最終戦で持ち味を発揮し、21-12のスコアで全勝優勝を果たしている。

 3年目もさらなる飛躍が期待されるランナーは、先の優勝主将の存在が印象に残っているとも話していた。

 現在、スーパーラグビーのサンウルブズに加わるSHの齋藤直人は、河瀬にとって早大の2学年先輩。入学時すでに主戦級だった齋藤を、河瀬は「オンとオフの切り替えがすごい」と見ていた。

「オンの時は目つきが鋭く、練習後のパス練習、ウェイトトレーニングを妥協せずする。オフの時は気さくに明るく、周りを笑かしたりしてくれます」

 印象的だったのは、1年時の大学選手権準決勝。明大に惜敗した直後の東京・秩父宮ラグビー場でのロッカールームで、齋藤は試合に出ていた3年生以下のメンバーを集めて「来年、絶対に優勝するぞ。その悔しさを忘れるなよ」と激。河瀬はその時の様子を、「負けたという悔しさと、来年(2019年度)、絶対に勝たなあかんというのは思いましたね」と心に刻んだようだ。

 河瀬が力強さを増したのは、その翌シーズンにあたる2019年度のことだった。そして直近の大学選手権決勝では、攻撃プランを機能させて明大にリベンジを果たした。

 さあ、2020年。走り切る自信、勝つ大義を胸に緑の芝へ飛び出す。

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