日本代表 2020.03.14

ジュニア・ジャパンがパシフィック・チャレンジ初優勝! 「HEROラグビー」体現で全勝制覇

[ 編集部 ]
ジュニア・ジャパンがパシフィック・チャレンジ初優勝! 「HEROラグビー」体現で全勝制覇
パシフィック・チャレンジで初優勝を成し遂げ、喜ぶジュニア・ジャパン(Photo: Zoomfiji)


 20歳前後の選手でチーム編成されたジュニア・ジャパンが、フィジーのスバで開催された「ワールドラグビー パシフィック・チャレンジ 2020」で大会初優勝を遂げた。3月14日におこなわれた全勝同士の最終戦で、5連覇を狙ったフィジー・ウォリアーズを21-12で破り、歓喜となった。

 ジュニア・ジャパンは序盤に反則で自陣深くに入られ、粘り強いディフェンスをしていたが、前半3分、軽快に動くフィジー・ウォリアーズの13番に防御網を破られ先制された。

 しかし、6分にSO丸山凜太朗(東海大)がPG成功で3点を返すと、16分には、この試合でも優勢だったスクラムから攻め、ブラインドサイドを突いたSH藤原忍(天理大)からボールをもらったWTB木田晴斗(立命館大)がコーナーにフィニッシュし、逆転した。その後、丸山がPGを2本決め、14-7で折り返した。

 後半早々、ジュニア・ジャパンは敵陣深くに入り、PKを得てSH藤原がクイックタップから攻めようとしたが、NO8相良昌彦(早稲田大)へのパスがスローフォワードとなり、チャンスを逃した。そして、直後のスクラムで相手のパックを崩しかけたものの、フィジーのSHがボールをピックアップして間隙を抜け、ビッグゲイン、サポートについていたSOにつなぎ、トライが生まれ2点差となった。

 しかしジュニア・ジャパンは48分(後半8分)、敵陣深くのラインアウトからローリングモールでアドバンテージを得ると、テンポよく攻めてSO丸山からクイックパスをもらったWTB木田が左隅にトライ。丸山のコンバージョンでも貴重な2点を追加し、21-12と点差を広げた。

 3枚のイエローカードを提示されたフィジー・ウォリアーズに対し、ジュニア・ジャパンは規律よくディフェンスでも奮闘。熱闘を制して歓喜となった。

 ゲームキャプテンを務めたCTBの李承信(帝京大)は、「東京のキャンプからこのチームが始まり、選手、スタッフ、関係者の皆さまのチーム全員で今日の試合で勝つための準備をしてきた。今日は前の2試合(vs トンガA、サモアA)に比べて気温が高く蒸し暑い状況のなか、個々のレベルとフィジカルで勢いがあるフィジー・ウォリアーズを相手につらい時間帯が多くあったが、ジュニア・ジャパンのゴールであるチーム一人ひとりが『HERO』になるために、どんな状況でも立ち上がりプレーし続けたことが、結果につながったと思う」と試合を振り返る。そして、「今日でジュニア・ジャパンとしてのゲームは終わりますが、これからも一選手として少しでも日本ラグビー界の発展に貢献したいと思います。応援ありがとうございました」とコメントした。

 水間良武監督は「最初から攻め続けプレッシャーを掛け続けること、何度もタックルをして起き上がり、抜かれてもあきらめずに追いかけて守り続けることを選手たちは意識した。そこに、基本スキルの徹底を加えたジュニア・ジャパンの『HEROラグビー』を体現してくれた選手、そして連日早朝から夜遅くまで、チームのためにそれぞれの役割を果たしてくれたスタッフの笑顔が見られてハッピーだ」と勝利を喜んだ。
 選手、スタッフ全員で競争しあいながらも助け合い、学び成長する意識を持ち、成功体験を得ながら自信をつけ、ひとつのチーム、仲間、ファミリーになることができ、遠征のテーマだった『継承から挑戦』を達成することができたことも指揮官は満足していると言う。そして、「多くの方々のご理解、ご支援、ご協力により今回の遠征が実現したことで、選手、スタッフ全員が成長し、結果を出すことができた。試合を観て応援していただいた方々に少しでも元気に明るい気持ちになってもらえたらうれしい」とコメントし、帰国後はワールドラグビーU20チャンピオンシップ(6月28日~7月18日にイタリアで開催予定)に向けての活動を始める。

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