新型コロナ懸念、アルゼンチンで初のスーパーラグビー無観客開催へ。来週から豪州での試合も。
世界的な大流行になっている新型コロナウイルスの感染拡大はラグビー界にも大きな影響を及ぼし、日本やヨーロッパ、アメリカなどで試合・大会の延期や中止が相次いでいるが、南半球の国でも不安や警戒が高まってきた。
アルゼンチンのブエノスアイレスでは今後30日間、すべての主要なスポーツイベントに観客を入れることを禁止し、現地時間3月14日にエスタディオ・ホセ・アマルフィターニで予定しているハグアレス×ハイランダーズ戦は、スーパーラグビーで初めて無観客試合としておこなうことが決まった。
スーパーラグビーを統括するSANZAARのアンディ・マリノスCEOは、「スーパーラグビーは国境を越えた国際的な大会であり、ここ数週間でコロナウイルスが世界的に流行したことで、残念なことに何らかの形でトーナメントに影響が出ることはわかっていた」とコメント。不測の事態に備えて計画しており、関係各国の政府および保健当局から出されたすべての指令を認識していることを明らかにした。
そして、感染者が150人を超えたオーストラリアにも大きな動きがあった。
同国のスコット・モリソン首相は3月13日、感染拡大防止の策として、16日から当面、500人以上の不要不急の集会を自粛するよう市民に要請。これを受けオーストラリアラグビー協会は、来週から国内で開催を予定しているスーパーラグビーの試合を、無観客で実施すると発表した。選手協会(RUPA)およびスーパーラグビークラブ間との電話会議で決定が合意されたという。
「進行中の世界的な健康問題に対する政府の対応に沿ってこの決定を下した」とオーストラリアラグビー協会のラエリーン・カッスルCEO。今週の試合を通常どおり観客を入れて開催することについては、「政府のアドバイスから、週末の試合でアスリートやファンに重大または差し迫った健康上のリスクはないと確信している」とコメントした。
これにより、東京・秩父宮ラグビー場からブリスベンのサンコープスタジアムに会場変更となった14日のサンウルブズ×クルセイダーズ戦は、ファンの前でおこなわれる。
しかしながら、次の週の第8節からはオーストラリアでは無観客で開催されることになり、3月20日にメルボルン(AAMIパーク)で予定されているレベルズ×サンウルブズ戦、3月28日にシドニー(シドニー・クリケット・グラウンド)で予定されているワラターズ×サンウルブズ戦は、観客がいない空席のスタジアムでおこなわれる。
日本国内での感染拡大防止のため、2月中旬から6週間連続の海外ツアーを余儀なくされているサンウルブズは、4月5日に秩父宮ラグビー場でレッズ戦を予定しているが、新型コロナウイルスに関する事態が好転していなければ、また会場変更などの可能性がある。その後、南アフリカのジョハネスバーグ(4月18日・ライオンズ戦)、プレトリア(4月25日・ブルズ戦)、シンガポール(5月2日・ハグアレス戦)で開催予定の試合も、注意深く検討されることになりそうだ。